未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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本当にネギとこんにゃく以外なにもないのか!?

下仁田町アポなし探訪!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.81 |25 December 2016
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#4夢に出てくる味

 下仁田の中心街は、下仁田駅前にある。松本さんに聞いた無料駐車場に車を停め、中心街を歩いて一番に向かった。 お店に入ると、お客さんがふたりいて、おばあちゃんと若者は厨房で慌ただしく働いていた。

 こんにちは! と声をかけ、「東京から来たんですけど、道の駅の観光協会の方に、ここは美味しい! と勧められてきました。取材させてもらっていいですか?」と尋ねると、おばあちゃんが「それは嬉しいねぇ。いいですよ」と答えてくれた。

 すると、話を聞いていたお客さんが、「ほんと、ここは美味しんだ。しばらくこないと夢に出てくるんだよ」と言い、おばあちゃんはまた「まあ、それはありがとうございます」と嬉しそうに微笑んだ。厨房から立ち上る湯気と、手書きのメニュー、つきっぱなしになってるテレビの音声。まだ何も食べてないし、話も聞いてないのに、まるで昭和の映画に迷い込んだような気分になる!

餃子とタンメンで1100円。お腹いっぱい大満足の味!

 タンメンと餃子を頼むと、野菜たっぷりの丼と、皮がモッチモチで具だくさんの餃子が出てきた。タンメンは気持ちがホッコリする優しい味で、餃子は正直ヤバい! 何個でも食べそうだ。美味い、美味いと箸を進めながら、おばあちゃんと若者に話を聞いた。ちなみに、お名前は出さなくていいということで、おばあちゃんという呼び名で通します。


未知の細道 No.81

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

一泊二日

最寄りのICから上信越自動車道「下仁田IC」を下車
1日目
ランチに駅前の「一番」でタンメンと餃子を堪能。
神津牧場 に行き、放牧されている牛と戯れ、美味しい牛乳やチーズに舌鼓を打とう。
その後、荒船の湯で温泉に浸かりホッコリ。
下仁田には3軒の宿があるから、夜はそこでくつろぐ。
2日目
午前中は町を散歩。人影まばらな中央通りを歩いて、かつての賑わいを想像するのも乙。
お昼は、食堂「安兵衛」 でランチ。冬ならば、冬季限定の下仁田ネギのグラタンが美味!
食後は、少し車を走らせて明治8年創業の老舗お菓子屋さん、嶋屋へ。和菓子、洋菓子、どれも絶品!

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。