下仁田の中心街は、下仁田駅前にある。松本さんに聞いた無料駐車場に車を停め、中心街を歩いて一番に向かった。 お店に入ると、お客さんがふたりいて、おばあちゃんと若者は厨房で慌ただしく働いていた。
こんにちは! と声をかけ、「東京から来たんですけど、道の駅の観光協会の方に、ここは美味しい! と勧められてきました。取材させてもらっていいですか?」と尋ねると、おばあちゃんが「それは嬉しいねぇ。いいですよ」と答えてくれた。
すると、話を聞いていたお客さんが、「ほんと、ここは美味しんだ。しばらくこないと夢に出てくるんだよ」と言い、おばあちゃんはまた「まあ、それはありがとうございます」と嬉しそうに微笑んだ。厨房から立ち上る湯気と、手書きのメニュー、つきっぱなしになってるテレビの音声。まだ何も食べてないし、話も聞いてないのに、まるで昭和の映画に迷い込んだような気分になる!
タンメンと餃子を頼むと、野菜たっぷりの丼と、皮がモッチモチで具だくさんの餃子が出てきた。タンメンは気持ちがホッコリする優しい味で、餃子は正直ヤバい! 何個でも食べそうだ。美味い、美味いと箸を進めながら、おばあちゃんと若者に話を聞いた。ちなみに、お名前は出さなくていいということで、おばあちゃんという呼び名で通します。
川内イオ