未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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本当にネギとこんにゃく以外なにもないのか!?

下仁田町アポなし探訪!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.81 |25 December 2016
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#4夢に出てくる味

 下仁田の中心街は、下仁田駅前にある。松本さんに聞いた無料駐車場に車を停め、中心街を歩いて一番に向かった。 お店に入ると、お客さんがふたりいて、おばあちゃんと若者は厨房で慌ただしく働いていた。

 こんにちは! と声をかけ、「東京から来たんですけど、道の駅の観光協会の方に、ここは美味しい! と勧められてきました。取材させてもらっていいですか?」と尋ねると、おばあちゃんが「それは嬉しいねぇ。いいですよ」と答えてくれた。

 すると、話を聞いていたお客さんが、「ほんと、ここは美味しんだ。しばらくこないと夢に出てくるんだよ」と言い、おばあちゃんはまた「まあ、それはありがとうございます」と嬉しそうに微笑んだ。厨房から立ち上る湯気と、手書きのメニュー、つきっぱなしになってるテレビの音声。まだ何も食べてないし、話も聞いてないのに、まるで昭和の映画に迷い込んだような気分になる!

餃子とタンメンで1100円。お腹いっぱい大満足の味!

 タンメンと餃子を頼むと、野菜たっぷりの丼と、皮がモッチモチで具だくさんの餃子が出てきた。タンメンは気持ちがホッコリする優しい味で、餃子は正直ヤバい! 何個でも食べそうだ。美味い、美味いと箸を進めながら、おばあちゃんと若者に話を聞いた。ちなみに、お名前は出さなくていいということで、おばあちゃんという呼び名で通します。

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未知の細道 No.81

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。