若者は24歳で、川崎から奥さんを連れてきたという。ずいぶんと思い切った決断に思えるけど、若者は「ここで働き始めてから、学ぶことしかありません!」と嬉しそうだ。
「僕は川崎の飲食店で働いていましたけど、餃子の皮だけじゃなくて、ラー油とかほんとどのものをイチから作っていることに驚きました。ここまで手作りするなんて、普通の飲食店ではありえません。町の人たちにも本当にお世話になっています」
おばあちゃんの好意で、若者が餃子の皮を作るところを見せてくれたのだけど、真剣な表情で餃子の皮を伸ばす若者と、それを優しくも真剣な表情で見守るおばあちゃんの姿を見て「師弟」という言葉が浮かんだ。
川内イオ