おばあちゃんは現在78歳。お店は東京五輪の年、昭和39年にオープンした。
「最初は主人がひとりでお店をやっていたんだけど、途中から手伝うようになりました。もう店を始めてから52年ですよ。餃子の皮は、店を始めた時から作ってますね。一度、餃子の皮を買ったことがあるんだけど、やっぱり味が違うのよね」
「何年か前に大雪の日があって、店を開けられなかったからそのまま辞めようかなと思ったんだけどね。こうやって町の人がきてくれるから、お店をお終いにできないんですよ(笑)。仕事をしながらこうやってお客さんと話ができることがやりがいですね」
驚いたのは、今年2月から一緒に働いているという若者が地域おこし協力隊ということ。若者によると「地域おこし協力隊が飲食店で働いているのは全国でもここだけ」とのことで、きっと下仁田の町の人たちが「お店を続けてほしい、おばあちゃんをサポートしたい」と思ったのだろう。店に入って数分だけど、そう思う気持ちがわかる気がするお店である。
川内イオ