未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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本当にネギとこんにゃく以外なにもないのか!?

下仁田町アポなし探訪!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.81 |25 December 2016
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#8場長が案内するナイトツアーも

  • 牧場で採れた牛乳を牧場で加工して製品化。お土産に買ったチーズは濃厚で美味でした!
  • 放牧されているのはジャージー牛。ホルスタインと比べて乳脂肪率が5%と高く、良質な栄養素を多く含んでいるそう。牛乳は風味が豊か!

 聞いてびっくり! 面白すぎる!  129年前に、福沢諭吉の塾生が「日本人の体格をよくする」なんていう大義を持って作った牧場が下仁田にあるなんて!

 ちなみに、創業者は「草と牛は一体のものである」という言葉を残していて、神津牧場は今でもその言葉をかたくなに守って牛の放牧を続けながら、牛乳、チーズ、バター、ヨーグルトなどを作って運営しているそうだ。特にバターは長野や群馬の近隣の人が快気祝いなどで購入していくそうで、明治の頃からいまでも高い評価を得ているのである。

 最近では観光に力を入れていて、放牧している牛に触れるガイドツアーも実施。夏季に併設のロッジに宿泊すると、時には須山さんがナイトツアーに案内してくれるという。夜になると周囲の山から下りてきた鹿やイノシシに出会ったり、星が間近に見えるそう。街灯もない真っ暗闇の牧場を歩くなんて、なんだかずいぶんと楽しそうじゃないですか!

 お話を聞いた後、牧場を案内してもらったら、なんとちょうど牛が出産したところで、小さな牛が身体から湯気を立てていた。聞けば出産も人間が管理せず、自然に任せているとのこと。日本最古の牧場、歴史もそうだけど、いろいろと興味深いぞ!

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未知の細道 No.81

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。