最後は、「あんこのなかにインゲン豆が入っている、美味いまんじゅう」(加庭さん)があるというお菓子屋さん、嶋屋へ。
ここでもアポなしで取材のお願いをしたところ、「いきなりお客さんが増えると困るから、普段はお断りしている」ということだったのだけど、一番や安兵衛も取材したことを説明し、「ネギとこんにゃく以外の下仁田の見所として取り上げさせてほしいんです!」と頼み込んだら、「それなら」とOKしてくれた。
嶋屋は、明治8年(1875年)創業の老舗で、お話を聞かせてくれたのは、5代目の山田勉さん。
「うちのあんこは薪とおがくずを使って、釜で炊き上げているんです。朝5時頃に火を入れて、全ての作業が終わるのは15時頃。通常は1週間分、60キロほど作りますが、注文が多い時は週に3回はこの作業をします。明治から続く方法で、すごく時間がかかるんですよ」
「売れ筋は、蔵まんじゅうです。味は3種類あって、あんこの中に白インゲンを入れているんですが、機械では入れられないから全て手作業です。ほかのお菓子もほとんど機械を使っていませんね。おかげさまで、県外から訪ねてきてくれるお客さんもいます」
川内イオ