未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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本当にネギとこんにゃく以外なにもないのか!?

下仁田町アポなし探訪!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.81 |25 December 2016
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#13日本一のだいこく様

急な石段を130段登った先に、中之嶽神のご神体「轟岩」がある

 翌日は、「縁結びだけじゃなくて、縁切りの願掛けもある」(松本さん)という中之嶽神社に向かった。この神社のパンフレットには、「日本一のだいこく様」がいると書かれていて、観光案内所に置いてあったパンフレットのなかでも妙に目立っていた。

 町なかから車で約25分、妙義山方面に進むと、否が応でも目に入る圧倒的存在感のだいこく様! 近づけば近づくほど、その大きさに目を奪われる。平成17年に約3,000人の氏子さんがお金を出しあい、高さ20メートルのだいこくさまが奉納されたそうだ。

 ちなみに、正確には130段の石段を登った先にある轟岩という巨石をご神体としているのが中之嶽神社で、開運、厄除けの神として日本一のだいこく様が奉られているのが中之嶽神社の隣にある大国神社。

 ここの神主さんからもお話を聞きたかったのだけど、いつも通りのアポなしで訪ねたら不在とのこと。「下仁田を再訪する理由がまたひとつ増えた」と開き直り、ひとり大国神社と中之嶽神社でお参りした。

 興味深いのは、縁結びと縁切りがある大国神社ではお賽銭を入れて願い事するのではなく、願いを書いたお札を「願い玉」というものに入れること。
 そうして「良縁結び」の願い玉は境内に向かって左側にある小槌を持っただいこく様に結び付け、「悪縁切り」は向かって右側の剣を持っただいこく様の足元のツボに入れる。もちろん、僕は「良縁結び」の願い玉を結び付けた。

 観光協会の松本さんから最初に「縁切りの願い玉の方が多い」と言われて、ヒエー! と慄いたのだけど、病気や不幸から縁を切る、という意味だと聞いてホッとした。 それにしても、やっぱり高さ20メートルのだいこく様は強烈! 下仁田ネギとこんにゃく以外、こんな隠し玉を持っていたのか、下仁田町!

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未知の細道 No.81

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。