翌日は、「縁結びだけじゃなくて、縁切りの願掛けもある」(松本さん)という中之嶽神社に向かった。この神社のパンフレットには、「日本一のだいこく様」がいると書かれていて、観光案内所に置いてあったパンフレットのなかでも妙に目立っていた。
町なかから車で約25分、妙義山方面に進むと、否が応でも目に入る圧倒的存在感のだいこく様! 近づけば近づくほど、その大きさに目を奪われる。平成17年に約3,000人の氏子さんがお金を出しあい、高さ20メートルのだいこくさまが奉納されたそうだ。
ちなみに、正確には130段の石段を登った先にある轟岩という巨石をご神体としているのが中之嶽神社で、開運、厄除けの神として日本一のだいこく様が奉られているのが中之嶽神社の隣にある大国神社。
ここの神主さんからもお話を聞きたかったのだけど、いつも通りのアポなしで訪ねたら不在とのこと。「下仁田を再訪する理由がまたひとつ増えた」と開き直り、ひとり大国神社と中之嶽神社でお参りした。
興味深いのは、縁結びと縁切りがある大国神社ではお賽銭を入れて願い事するのではなく、願いを書いたお札を「願い玉」というものに入れること。
そうして「良縁結び」の願い玉は境内に向かって左側にある小槌を持っただいこく様に結び付け、「悪縁切り」は向かって右側の剣を持っただいこく様の足元のツボに入れる。もちろん、僕は「良縁結び」の願い玉を結び付けた。
観光協会の松本さんから最初に「縁切りの願い玉の方が多い」と言われて、ヒエー! と慄いたのだけど、病気や不幸から縁を切る、という意味だと聞いてホッとした。 それにしても、やっぱり高さ20メートルのだいこく様は強烈! 下仁田ネギとこんにゃく以外、こんな隠し玉を持っていたのか、下仁田町!
川内イオ