未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
81

本当にネギとこんにゃく以外なにもないのか!?

下仁田町アポなし探訪!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.81 |25 December 2016
この記事をはじめから読む

#16下仁田は○○○ない町

日本三大奇勝のひとつとして知られる妙義山

 1泊2日で下仁田町を巡って強く感じたのは、掘れば掘るほど面白い話が出てくるということ。確かに、PR動画の歌詞の通り「歩いてる人もまばら……」だし、「岩と山に囲まれた、取り残されたような町並み」だけど、「ねぎとこんにゃく以外、なにもない町」では全くなかった。

 明治期から昭和にかけて、栄華を誇ったこんにゃく大臣を中心に作られた町の文化がいまも脈々と受け継がれている。時代の流れの中で表面的には見えづらくなっているけど、舞台裏をのぞくようにちょっと足を踏み入れたら、意外に簡単に触れることができた。

 しかもそれは、「全国で唯一、地域おこし協力隊が働いている飲食店」だったり、日本最古の牧場だったり、フレンチのコースを出す町の食堂だったり、高さ20メートルの「日本一のだいこく様」だったり、昔ながら手法を守り続ける老舗のお菓子屋さんだったり、どれもなかなかにインパクトがあった。全国の地方を探しても、狭い範囲でこんなに個性溢れる人や店が集う町はなかなかないと思う。

 下仁田町は、「なにもない町」じゃない。

 僕の中で替え歌ができた。
「下仁田、オオオオ、下仁田、オオオオ、ほかにない町♪」

このエントリーをはてなブックマークに追加


未知の細道 No.81

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。