この取材に関して、僕は完全なるアポなしで行った。つまり、誰にも、なんの連絡もせずに下仁田に向かった。出会った人に町の魅力を尋ねて、そこを巡る!」という昔懐かしい電波少年的行き当たりばったり企画である。
だって、事前に取材申請をすると、どんな人でも多少身構えて、パリッとしたスーツを着たり、いつもより念入りに化粧をしたり、口調が役人のようになったりして、町の本当の姿が見えないでしょ?
予断を排するために、誰に何を聞くかも考えていなかった僕は、車を走らせていてたまたま目に入った道の駅「しもにた」に寄った。ここなら誰か話を聞かせてくれる人がいるだろうと思ったら、目の前に「下仁田町観光案内所」があるではないか!
アポなしで話を聞かせてくれるかわかんないけど、思い切って観光案内所の方に「町の動画を見て、下仁田町には本当に何もないのか確かめに来ました!」と告げた。
ここがアポなし取材の出発点となった。
川内イオ