そうして、今年の春にパリに向かったメンバーは、楽画鬼さんやリンダさんをいれて、総勢8人。パリが初めてというアーティストもいた。
今回、8人のミッションは二つ。ひとつは、59リヴォリの建物全体を「旅 VOYAGE」のコンセプトで装飾すること。「旅」は、第3回目の芸術祭のテーマである。
ふたつ目は、その建物の装飾を舞台に見立てて、「アマンジャクの旅」と題したパフォーマンスを路上で披露することだった。こうしてアマンジャクは、綺麗な星は取れなかったものの、パリに旅をすることになったのだ。
装飾を終えた、8人のメンバーは個性的な妖怪に扮し、路上でパフォーマンスを披露した。先にも書いたが、「リヴォリ59」は渋谷のスクランブル交差点のような場所にある。そこに、妖怪である。開始の時間、あいにくの雨模様だったが、「アマンジャクの旅」は、ハプニング好きのパリジャンには大ウケだったようで、徐々に見物客が路上に鈴なりになり、大いに盛り上がった。
さてさて、今年もいよいよ第3回目の美咲芸術世界の時期がやってくる。
展示期間は9月23日から10月28日までの約一ヶ月間。今年は笠原舞さんらの影絵劇舞台(9/23)、そして59リヴォリを最初に占拠した3人のうちのひとりで、今も59リヴォリのリーダーであるガスパール・ドラノエさんのトークショー(9/15)も見所である。また、ここに移住を果たした土屋洋介さんも、改修を終えたアートスペース「エッフェル堂」で、地元の人々の「思い出」を素材としたパフォーマンスをする予定だ。
(プログラムの詳細は美咲芸術世界のフェイスブックページにて)
川内イオ