翌朝は、4時に起きて日の出のなかで羊を撮影。テントに戻って二度寝した後、牧場に行って7時から始まる羊舎の掃除とエサやりを見学。
お腹が空いた頃合いで、港に向かった。この日は10時30分から祭りが始まっていたから、朝食バーベキューだ。今回は焼尻サフォークに加えて、焼尻島のまわりで採れたというウニ(中型1個300円!)もふたつ購入し、前日と同じ海沿いの席で一緒に焼いた。「あ~美味い……」「これはヤバい……」とひとりで呟きながら、あっという間に完食。これほど贅沢なモーニングセットがあるだろうか! いや、ない。
ほかのお客さんは、どう感じているのだろう? 焼き台をまわって話を聞いてみた。
札幌からきた「2年連続、2回目」という女性ふたり
「混んでなくて、美味しいものがたくさんあって、気分転換に最適な島ですよね。ジンギスカンはよく食べますけど、サフォークを食べられるところはあまりないんです。やっぱり美味しいですね。別物です」
「臭みがあるのが普通の羊で、それはそれで好きなんですけど、臭いからタレをつけるじゃないですか。ここの羊は臭みがなくて、羊であって羊でないという感じ」
札幌からきた女性と子どものグループ
「私は三回目です。ここの羊は甘みを感じますよね。一般には流通してないのがもったいないと思います。また来たいですね」
「私は初めて。ずっときたかったんです。臭みがないから、塩を振って食べるのが一番おいしい。札幌からくる価値あります」
札幌から来たという人はほかにもいた。札幌は日本屈指の美食の町で、美味しい羊肉を食べられる店なんてたくさんありそうだ。それなのに、長距離バスと船に乗ってわざわざ焼尻島に来ている。それだけ焼尻の羊肉が特別ということだろう。
川内イオ