未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
120

片道10時間の道程が前菜になる焼尻島

北の離島で世界一の羊を焙る。

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.120 |10 August 2018
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#5ジンギスカンブームに乗って

サフォーク種。顔と四肢が黒くなっているという特徴がある。

 羽幌町としても、税金を投じて飼い始めた羊をどうにかしないといけないという思いがあったのかもしれない。町の職員を焼尻島に送り込み、1966年、「町営焼尻めん羊牧場」を設立。翌年には、羊毛、羊肉兼用で、顔と四肢が白いコリデールという種類の羊が104頭、導入された。

 現在、牧場にいる羊肉専用で顔と四肢が黒いサフォーク種がやってきたのは1969年。100頭がオーストラリアから輸入されたという。立ち上げ当初は、二種類の羊が混在する牧場だったのだ。

 こうした事業拡大の背景にあるのは、昭和30年代の「ジンギスカン」ブーム。当時、全国に百万頭以上の羊がいたという記録が残っており、羽幌町もこの波に乗ろうとしたのだろう。羊肉専用のサフォーク種だけの飼育に切り替わったのも、この時期だ。1986年には、北海道めん羊協会によってサフォーク種第1号純血生産基地に指定されている。

 しかし、方向転換を強いられた。提携していた札幌の某スキー場が倒産し、肉の卸先を開拓する必要が出てきたのだ。そこで当時の町や牧場の職員が、少ない頭数で利益を上げるために富裕層をターゲットにした新たな戦略に取り組んだそうだ。


未知の細道 No.120

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

北の離島で世界一の羊を食る旅プラン

予算の目安(都内からの場合)50,000円〜

最寄りのICから【E62】深川留萌自動車道「留萌大和田」を下車
1日目
焼尻島はテント泊がお勧め。テントを担いで、お腹を空かせて島に行こう。
露店では海鮮、野菜、ドリンクなどが売っているから手ぶらでOK!
海風を感じながら、バーベキューを楽しもう。
お腹がいっぱいになったら、レンタル自転車で島を巡る。
牧場も許可をえれば見学可能。
飲食店はないからテント泊の場合は夕食は要持参。
2日目
祭りの期間中であれば、モーニングバーベキューがお勧め!
期間外なら、朝食も要持参。
再び自転車で島を巡る。
強風と雪の重みで横に伸びるオンコ(イチイ)の木も島の見どころ。

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。