「まずは、キノコが生えているか見てみましょう」ということで、トリュフ発見の現場に行く前に、そのほかのキノコの生育状況を確かめることになった。武子さん曰く秋のキノコのシーズンはもう終盤で、トリュフどころかキノコ自体があまり生えていない可能性があるという。ええ! なんということでしょう……キノコの日なのに!
おふたりは、登山道など一切ない自然のままの山をぐんぐん登っていく。80歳にしてなんという健脚!「今の季節はシシタケ、アカモミタケ、ヒメサクラシメジが多いんです」と言いながら、山肌をチェックする。その視線は真剣そのもの、キノコハンターだ。
僕もきょろきょろしていたら、意外にすぐキノコを発見。なんか嬉しい! どや顔で「これは何ですか?」と尋ねたら、「それは、ケロウジ。食べられないよ。パッと目につくキノコは、毒キノコが多いからね」と苦笑。知らないことばかりで、勉強になる。
最初の山では武子さんの予想通り、既にほとんどキノコは生えていなかったけど、それでもシシタケ、ヒメサクラシメジ、キハツダケなど僕もいくつか見つけることができた。明雄さんに「目がいいんだな。大したもんだ」と褒められて、テンションが上がる。
川内イオ