見た目も語り口もふんわりナチュラル系の水品さんだが、実は筋金入りのお風呂と温泉好き。これまでに、国内外の温泉1050か所を巡ってきたという。
お風呂、温泉への愛が生まれたのは、小学生のとき。家族で週に1回、地元の千葉県佐倉市にある温浴施設に通うようになったのがきっかけだ。その情熱は滾々と湧き出る湯のように冷めやらず、高校2年生のときには自らいきつけの温浴施設に「働かせてください」とメールをして、仕事を得た。入浴が好き、ということと施設で働くことには少し距離がありそうだけど? と尋ねると、水品さんにはニコッとほほ笑んだ。
「仕事終わりに、毎日温泉に入れるから。それに、(施設で上演される)大衆演劇が好きで、毎日見られるからいいなと思って」
大学は横浜だったが、バイトを続けたくて佐倉から2時間半かけて通学。ひとりで遠出できる年齢になると、全国各地の温泉巡りを始めた。これまでに訪ねた1050カ所のうち、大半が学生時代に行った場所だというから、とんでもないスピードの湯めぐり超特急。
「観光名所には目もくれず、地域の名物も食べないで温泉に入ってました」
大学では教育人間科学部マルチメディア文化課程に所属し、卒論のテーマは「『温泉』は、地球と私の間の、もっとも優秀なメディアである」。水品さんの温泉愛を知っていた教授は、「よく頑張ったね」と褒めてくれたそうだ。
川内イオ