未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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男鹿の湯再建に挑む!

温泉ガール奮湯記

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.89 |25 April 2017
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#2湯めぐり超特急

ふんわりとしたキャラながら、思い立ったら即行動派の水品沙紀さん

 見た目も語り口もふんわりナチュラル系の水品さんだが、実は筋金入りのお風呂と温泉好き。これまでに、国内外の温泉1050か所を巡ってきたという。

 お風呂、温泉への愛が生まれたのは、小学生のとき。家族で週に1回、地元の千葉県佐倉市にある温浴施設に通うようになったのがきっかけだ。その情熱は滾々と湧き出る湯のように冷めやらず、高校2年生のときには自らいきつけの温浴施設に「働かせてください」とメールをして、仕事を得た。入浴が好き、ということと施設で働くことには少し距離がありそうだけど? と尋ねると、水品さんにはニコッとほほ笑んだ。

 「仕事終わりに、毎日温泉に入れるから。それに、(施設で上演される)大衆演劇が好きで、毎日見られるからいいなと思って」

 大学は横浜だったが、バイトを続けたくて佐倉から2時間半かけて通学。ひとりで遠出できる年齢になると、全国各地の温泉巡りを始めた。これまでに訪ねた1050カ所のうち、大半が学生時代に行った場所だというから、とんでもないスピードの湯めぐり超特急。

 「観光名所には目もくれず、地域の名物も食べないで温泉に入ってました」

 大学では教育人間科学部マルチメディア文化課程に所属し、卒論のテーマは「『温泉』は、地球と私の間の、もっとも優秀なメディアである」。水品さんの温泉愛を知っていた教授は、「よく頑張ったね」と褒めてくれたそうだ。

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未知の細道 No.89

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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