未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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投げて、祈って、抱きしめて!

神の島・金華山で金運開運奮闘記!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.72 |10 August 2016
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#12地域を支え、支えられている神社

桟橋からすぐの大鳥居。東日本大震災では、この鳥居を超える津波が直撃した

——その大変な状態から、どのように復旧していったのでしょうか?
「これまでに、ボランティアさんが全国から7,000人も来てくれました。2013年に、12年に1度の巳歳御縁年大祭があって、それまでに壊れたところを修理しようということで、人海戦術でセメント、砕石、砂、木材を山の頂上まで人力で持ってあがって。8月からまた工事が始まって、参道が直ればだいぶ回復しますね。あとは船の待合所が6月30日に完成予定だったんですけど、だいぶ遅れて11月いっぱいぐらいになりそうです。待合所ができれば1日1便、定期便が出ると思います。離島だから海が荒れたり、いろいろな問題起きるけど、少しずつ良くなってきていますよ」

——金華山と黄金山神社は、たくさんの人に支えられているんですね。
「皆さん、氏子みたいな想いでやってくれています。神輿も、震災の年はできなかったけど、地域の方々が次の年からやろうよと言ってくれて、復活できました。金華山を心の支えにしてくれている方も多いんです。金華山は、牡鹿半島の観光の要で、復活しないと地域にも貢献できない。震災後は、参拝客もそれまでの半分ぐらいに減りましたが、私たちも頑張ってやっていこうと思っています」

 西村さんと話を聞いて、改めて感じた。
 ここは神聖な場所なのだ。

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未知の細道 No.72

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。