海沿いのホテルを予約していたので、駅前からタクシーに乗る。運転手さんは、身体が大きくて、声が低く、床屋に行ってからちょっと時間がたった感じの緩めのアイパー(ちょっと怖い見た目のパーマ)で、パッと見、イカツイ感じだった。でも「モウカの星を食べに来たんですけど、今夜、食べられるお店ありますかね?」と話しかけてみると、「わざわざ!?」と笑いながら、親切に「復興屋台村ならあると思うよ」と教えてくれた。ちなみに、運転手さんは「漁師の友達が分けてくれるから、店で食べたことはない」そう。ネットの記事で「獲れたそのほとんどが地元で消費される」と書かれていたけど、本当に地元に根付いている食材なんだなあ。
駅から10分ほどで、ホテルに到着。チェックイン後、すぐにホテル直営の「お魚いちば」に向かう。店のなかには、見たこともないほど巨大なブリ、立派なアワビやサザエなどがゴロゴロしていて、思わずヨダレが出そうになる。
店内をぐるっと巡ると、サメの水揚げ日本一を誇る気仙沼だけあって、とにかくフカヒレ推し! フカヒレ茶、姿煮、乾物、かまぼこ、活揚げ、パイ菓子などなど、これでもか! というほどフカヒレ関連商品がある。なんと、併設の食堂には、サメの肉を使ったハンバーガーまであった。フカヒレ=高級食材という印象しかなかったけど、こんなに何にでも活用できるとは!
そして、ありました! モウカの星、の解説が。でも、肝心のモウカの星が置いていない。店員さんに聞いてみると「3連休の最終日で、船が出てないからね(その日は11月23日だった)。明日、水揚げされれば届くと思うけど……」とのことだった。
ですよね。実は数日前、気仙沼市魚市場に電話をしてモウカの星の入荷状況を確認したところ、同じように言われていたのだ。
川内イオ