未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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投げて、祈って、抱きしめて!

神の島・金華山で金運開運奮闘記!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.72 |10 August 2016
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#6蛇の即席撮影会

 金華山の桟橋から神社の境内までは、歩いて10分ほど。金華山の緑が濃く、境内はとても静かで清々しい。深呼吸をすると、脳と身体の細胞が喜んでいる気がする。
 境内に入ると、2頭の鹿がくつろいでいた。金華山では、その昔、神様が鹿に乗って現れたという言い伝えから、鹿は「御神鹿(ごしんろく)」として尊ばれている。
 ちなみに、パワースポットは何カ所かあり、大国主神と菅原道真を奉った金樁(かなぐい)神社、樹齢800年のご神木、お金についた不浄を洗い流す銭洗場と弁財天泰安堂、子宝に恵まれるという子安地蔵などがある。

 金華山には、大きなこぶがある木がいくつか生えているんだけど、船長曰く、「木のパワーが溢れてこぶになる。調子が悪いところをこぶにつけると良くなる」ということなので、頭をよーく擦りつけておいた。

 船長について参加者みんなで歩いていたら、参加者のひとりが蛇を見つけた。すると、船長が興奮した口調になった。
「弁財天がお供に連れてきたのが蛇なので、ここでは蛇がとても大切にされているんです。毎年5月の初巳の日(※巳=へび)から一週間行われる初巳大祭には、たくさんの参拝客がきます。金華山で蛇を見るなんて、皆さん、ラッキーですよ。金運開運間違いなし!」
 船長の言葉に、一同、「おお!!」とどよめき、普段なら「蛇、こわーい」と言いそうな女性まで、一斉に蛇を写真に撮り始めた。僕ももちろん、シャッターを押しまくる。

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未知の細道 No.72

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。