金華山の存在を知ったのは、偶然だった。どこか離島にでも行きたいなあとググっていたら、黄金山神社の情報が出てきたのだ。
その時まで、金華山のことも、黄金山神社のことも知らなかった僕は、調べて驚いた。
島と神社の由来と概要を要約しよう。
「天平21年(西暦749年)に、陸奥の国守百済王敬福が、金華山で取れた黄金を朝廷に献上した。これが日本で初めて取れた金で、大仏建立に黄金を必要としていた聖武天皇は大いに喜び、年号を天平勝宝と改めた。
天平勝宝2年(750年)、金華山に金銀財宝を司る神様、金山毘古神 (かなやまひこのかみ)・ 金山毘賣神 (かなやまひめのかみ)を奉祀し、黄金山神社が創建された。神仏習合の古来より、仏教の神様である弁財天 (べんざいてん)を守護神とし、江ノ島・厳島・竹生島・天河とともに、日本五大弁財天の霊地ともされ、「3年続けてお詣りすれば、一生お金に不自由しない」と言われる。
島全体が神域として信仰の対象であり、創建以来、長らく修験者の修行の場であった。東北の三大霊場 (出羽三山・恐山・金華山)のひとつであり、東北屈指のパワースポットとして多くの参拝客が訪れる」
「日本で初めて金が取れた土地」というのは諸説あるらしいけど、それにしても、とんでもなくインパクトのある島だ。
1266年前に創建の黄金山神社!
日本五大弁財天の霊地!
東北の三大霊場!
島全体が神域!
一生お金に不自由しない!
もし金華山のテレビCMがあったら、売り文句に苦労しない。
こんな離島が、ほかにあるだろうか? しかも、黄金山神社のホームページを見たら、神社に宿泊して、平安時代から続く「大護摩祈祷」を受けられると書いてある。護摩祈祷とは、弘法大師により伝えられた真言密教の秘法。要するに仏様に祈るものなのに、神社で護摩祈祷を受けられるなんて、文句なしの激レア体験だ。
これは、珍しもの好きの血が騒ぐ! ということで、都内から1泊2日、片道6時間という強行軍で金華山を訪ねたのである。
川内イオ