未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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八ヶ岳の麓の「星空の映画祭」

星が煌めく夜は、映画の魔法にかかりたい

文= 川内有緒
写真= 川内有緒
一部写真提供= 星空の映画祭
未知の細道 No.95 |25 July 2017
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#12今年最後にかかる映画は……!

 というわけで、今年も7月28日から8月20日まで、32回目の星空の映画祭がやってくる。最後になったが、今年のラインナップからいくつかの映画を紹介したい。
 オープニングは、『ラ・ラ・ランド』。その後は『君の名は。』『美女と野獣』『この世界の片隅に』と大ヒット作が続く。
(今年の上映の詳細はホームページフェイスブックページにて)
 ここら辺はあまり説明が必要なさそうなので、個人的に見たい! と思った三本を紹介したい。

 まずは、山岳ドキュメンタリー『メルー』。
 山岳もの、冒険ものが好きな私には、これは外せない!
 インドヒマラヤの6000メートル級の高山、メルー。ヒンズー教の聖地でもあるそうだ。その未踏の難関ルートに挑む登山チームに密着。八ヶ岳の麓で見たら、まさに手に汗を握ること間違いなしだろう。
 次は、他民族国家マレーシアからやってきた『タレンタイム 優しい歌』。
 音楽コンクールを題材にした映画で、宗教も民族も超えて響く柔らかな歌声が胸に響く名作。見た人の多くが生涯のベスト映画にあげたくなるという伝説的な作品だ。

 そして、注目は最終日に上映されるジャニス・ジョプリンのドキュメンタリー映画、『ジャニス リトルガールブルー』。
 20世紀最高のシンガーと言われながら、27歳で夭折。その燃え盛る炎のような短い人生を追った作品である。
 これは、最終日にかかるという意味でも、映画祭にとっても特別な一作だ。
 星空の映画祭では、スタッフも一緒になって映画を見られるのは、最終日だけ。だから、長い映画祭を一緒に走り抜けたことを祝い、とびきりスペシャルな音楽映画が選ばれる。
 ジャニスの魂の歌声は、人々にどんな魔法をかけるのだろう?
 それを知るのは、その日そこに足を運んだ人々だけ。
 さて、夏休みのご予定はいかがですか?

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ホームページ(上映タイムスケジュールや前売り券情報などはこちらをチェック)
http://www.hoshizoraeiga.com/
公式フェイスブックページ(最新の作品情報やスタッフおすすめの近隣情報も)
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未知の細道 No.95

川内 有緒

日本大学芸術学部卒、ジョージタウン大学にて修士号を取得。
コンサルティング会社やシンクタンクに勤務し、中南米社会の研究にいそしむ。その合間に南米やアジアの少数民族や辺境の地への旅の記録を、雑誌や機内誌に発表。2004年からフランス・パリの国際機関に5年半勤務したあと、フリーランスに。現在は東京を拠点に、おもしろいモノや人を探して旅を続ける。書籍、コラムやルポを書くかたわら、イベントの企画やアートスペース「山小屋」も運営。著書に、パリで働く日本人の人生を追ったノンフィクション、『パリでメシを食う。』『バウルを探して〜地球の片隅に伝わる秘密の歌〜』(幻冬舎)がある。「空をゆく巨人」で第16回開高健ノンフィクション賞受賞。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。