未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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職業欄は冒険家!?

山形の大自然が生んだ冒険家・大場満郎さんの「死ぬまで輝いた目で生きる」という人生の挑戦

文= 川内有緒
写真= 川内有緒
未知の細道 No.129 |10 January 2019
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#8北極横断、そして南極へ

南極点に立つ大場さん(上)、南極(下)

「それまでの過去3回の挑戦に比べると、4回目は本当に楽しかった。122日間、あっという間だった」と大場さんは思い出だす。
 なかでも大場さんが成功の理由として強調するのは、その瞬間、瞬間を楽しむということだ。
「楽しく歩いていれば、自然も、ソリも俺の分身みたいになっちゃう。そうなるとどこでも歩けるんだ。例えば、寒ければ、海が凍るから、よく歩ける。そうすると、“寒ささん”、ありがとう、という気持ちになる。太陽がずっと出ないなかで太陽がちょっと出ると、太陽さん、ありがとう。そうやって楽しんでいれば余計なことを考えずに、その時のことに集中できるんです」

約4ヶ月半の挑戦を終え、戻って来た大場さんを、日本中が大歓迎。特に山形県での熱狂にはすっかり驚かされた。大場さんは県民栄誉賞を受賞した。

さらに2年後となる1999年、大場さんは南極大陸横断にもチャレンジ。これも見事に成功し、今度は第4回植村直己冒険賞を受賞した。

両極の冒険に一区切りがついたこともあり、大場さんは約20年振りに故郷の最上町で暮らし始めた。

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未知の細道 No.129

川内 有緒

日本大学芸術学部卒、ジョージタウン大学にて修士号を取得。
コンサルティング会社やシンクタンクに勤務し、中南米社会の研究にいそしむ。その合間に南米やアジアの少数民族や辺境の地への旅の記録を、雑誌や機内誌に発表。2004年からフランス・パリの国際機関に5年半勤務したあと、フリーランスに。現在は東京を拠点に、おもしろいモノや人を探して旅を続ける。書籍、コラムやルポを書くかたわら、イベントの企画やアートスペース「山小屋」も運営。著書に、パリで働く日本人の人生を追ったノンフィクション、『パリでメシを食う。』『バウルを探して〜地球の片隅に伝わる秘密の歌〜』(幻冬舎)がある。「空をゆく巨人」で第16回開高健ノンフィクション賞受賞。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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