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第13回北海道高速道路の四季フォトコンテスト結果発表
テーマ
1、「高速道路のある風景」部門
“NEXCO東日本北海道支社が管理する高速道路やSA・PAが風景の一部となっている写真”、“高速道路やSA・PAの利用時に楽しんでいる様子を撮影した写真”
2、「北海道の四季」部門
“春夏秋冬それぞれの北海道らしさを感じる写真”
募集期間
2022年5月19日(木)~12月31日(土)
(2021年1月1日以降に撮影したものに限ります)
全国各地の北海道を愛する写真家の皆さまから多数の素晴らしい作品をお寄せいただきました。
ご応募いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、下記のとおり、13点の入賞作品を決定しました。
入賞者のみなさま、おめでとうございます。
講評
【審査員 北海道教育大学 芸術・スポーツ文化学科 教授 伊藤隆介】
第13回目を迎えた「北海道 高速道路の四季フォトコンテスト」では、引き続き新型コロナウィルスで観光や遠出が難しかった一年であったにもかかわらず、600点を優に超える応募作品が寄せられました。作品の質もおそらく過去最高レベルと言ってよく、賞の数が足りないと思うほどに秀作、良作、力作が続出しました。
今回の審査で特徴的だったのは、一作品のみの応募される方が多く、実際に入賞作品の半数近くを占めたということでした。
これまでの審査の過程でまず上位に来られるのは、もはや「常連」と呼んでいいベテラン応募者の方々の四季折々の記録、また、プロ・アマ問わず写真家の皆さんが一年間撮りためた、自信作の数々でした。近年の傾向としては、現像ソフトやPhotoshopなどの画像処理アプリの一般化によって、画像の色彩やコントラストは表現豊かに演出され、言い換えると「絵画的」に構築されたCG的な作品になりつつあります。そういったハイエンドの潮流の中、今回の審査で際立った魅力が感じられたのは、むしろ写真本来の「シャッターチャンス」、記録性や偶然性を持った応募作群でした。
その背景には、スマートフォンの高性能化(解像度、レンズの描写力、画像処理エンジンなどの)があり、多くの方々が行く先々で、それぞれの好奇心で、「感動」をハンディに切り取る時代になったということでしょう。つまり限られた専門家やマニアの精緻な表現力が、「この一枚」という感動の母数に、追いつかれつつあるということかもしれません。
「シャッターチャンス」の魅力を代表するのは、「北海道の四季」部門のhiroさんの『雪の中の妖精』でしょう。丹頂鶴、ナキウサギ、サラブレットなど、本コンテストでも動物たちを追った写真は多いですが、「北海道の四季」部門初の動物写真による最優秀賞です。目の前に「パッとでてきた一頭の鹿」を撮ったとのことですが、鹿の表情や毛の質感、舞い散る雪と空気感、遠近に展開する光と影、硬軟のフォーカス(ピント)が相まって、白昼夢のような一瞬を記録しています。「名人」も多い動物写真の分野では、被写体をドキュメンタリー、あるいは抒情性・ドラマ性で捉える場合が多いですが、hiroさんの作品には今のコンテストには見ないテイストが感じられました。
「夏賞」の『羊蹄山の夏』は、「シャッターチャンス」を粘った作品です。言うまでもなく羊蹄山は北海道で最もフォトジェニックなアイコンのひとつですが、それ故に撮影の際には、すっかりその固有の魅力を「撮らされて」しまい、結果としては誰でも同じような内容、構図になってしまいがちです。作者の長友逸郎さんはまずジャガイモ畑とニンニクの収穫に興味を持ち、それから羊蹄山が雲から姿を現すのを待ったといいます。その粘りは功を奏し、ダイナミックな自然の雄大さと動き、我々人間の細かな営みが対比されることになりました。緑の農地に人々やコンテナの色彩がアクセントになり、特に作業着のブルーが青空に、赤い屋根と土の色に呼応しているのも爽快で、知的な面白さの作品に仕上がったと思います。
「冬賞」の『日勝峠の雪庇』(穂刈正昭さん)も、雪と風が作った偶然の造形をすかさず記録した作品です。画面を二分割した雪庇の奥に、やはり弧を描く日勝大橋とトンネルがあるという妙。北海道の冬の厳しさが伝わるとともに、偶然と人工の曲線の対比が美しくユーモア感もある作品でした。
「共通賞」である前田啓さんの『春を待つ耕地』は北海道らしい季節感、スケール感が魅力の作品です。美瑛という有名スポットを被写体としながらその美しさ、いわば地の利の記録にとどまらず、空を流れる重層的な雲の形と、大地に横たわる深い雪のうねりの、それぞれ違ったスピードをランデブーさせることにより、本来は目には見えない「風」が確かに画像に定着されています。
なちゃんさんの爽やかな『夏のはじまり』の舞台は、人物も入れ込んだ初夏の然別湖です。一般に人物をモチーフとした作品は、旅の楽しさといった「スナップ写真」としてのライブ感覚と、「写真作品」としての芸術性や技術とのバランスの取り方が難しいところですが、本作品では湖底線路(実際は遊覧船の湖岸引上げ用のレール)というファンタジー的な風景を生かし、旅行記というリアルと、人物を配した物語性を同居させた点に感心しました。現実の風景をどこかフィクション化するのは、コスプレ的な視点で新しいとも思いました。現実を撮りながらフィクション的に見えるという点では、伊藤裕也さんの『Times go on』も、数ある長時間露光による表現作品の中でも際立ってユニークでした。
「高速道路のある風景」部門は年々レベルが上がっており、テーマや被写体が設定されていることもあって、ロケーションや季節、天候、時間帯など一朝一夕にはいかない計画で制作されている作品が目立ちました。特に今回は、確かな画面構成力のある秀作が多くありました。
最優秀賞を受賞した神保吉数さんの『夕焼けの空』は、夏の夕方が静謐な情感で描かれた作品ですが、一方で立体感のあるレイアウトが魅力です。夕焼け色を帯びた雲が一点透視法的な遠近で捉えられ、その手前を横切る川と水の動感、さらに上方からダイナミックに割って入る高速道路という三位一体の造形力が見事です。
同部門優秀賞の『釣り人』(今井秀幸さん)は今までにない切り口の作品でした。冬の風景の白を基調とした画面の、コントラスト強い高速道路の色調にまず視点が引き込まれます。次にその下の小さな釣り人の姿を発見し、さらに手前には湯気の中に佇む水鳥と誘導されます。再び画面上部に目を移してみれば道路を疾走する車の屋根、さらに遠くにはかすかに航空機の離陸が見えてきます。十二分に余白を生かした水墨画や書のような世界感でした。
今回は受賞作がありませんでしたが、SAなどを被写体とした作品でも意欲的なものが目につきました。家族のスナップ写真のほか、遊具などの設備をモチーフにした作品も少しずつ増えています。まだまだ「面白いので撮ってみた」というストレートな表現が多いところですが、そこに詩情や物語、造形性を発見、付与することにより、新鮮な作品を作り出せる可能性は高いと思ってます。ぜひ挑戦してみてください。
新しい春を迎え、新型コロナウィルスをめぐる社会状況も転機を迎えました。今シーズンは、いよいよ北海道でも各地を訪ね、ドライブできることでしょう。久々にマスクを外し、深呼吸しながら触れる風景、出会う人々は、かつてなく新鮮で魅力的に見えることでしょう。皆さんならではの「シャッターチャンス」を通した北海道の四季を拝見したいと期待しています。
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