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第12回北海道高速道路の四季フォトコンテスト結果発表
テーマ
1、「高速道路のある風景」部門
“NEXCO東日本北海道支社が管理する高速道路やSA・PAが風景の一部となっている写真”、”私の高速道路、SA・PAの楽しみ”
2、「北海道の四季」部門
“春夏秋冬それぞれの北海道らしさを感じる写真”
募集期間
2021年4月22日(木)~12月31日(金)
(2020年1月1日以降に撮影したものに限ります)
全国各地の北海道を愛する写真家の皆さまから多数の素晴らしい作品をお寄せいただきました。
ご応募いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、下記のとおり、13点の入賞作品を決定しました。
入賞者のみなさま、おめでとうございます。
講評
【審査員 北海道教育大学 芸術・スポーツ文化学科 教授 伊藤隆介】
北海道各地の四季の魅力をテーマとした本コンテストも、時代に合わせたタイトルや部門の変遷を重ねながら、今回で第12回目を迎えます。
一昨年から引き続き、新型コロナウィルスの世界的な流行という未曾有の社会状況は続いており、移動や旅行は自粛されていますが、それでも総数で600点近い応募作が寄せられ、その作品レベルもこれまでと引けを取らない、あるいは例年以上の高さであったのが嬉しい審査でした。
全部門を通して目立ったのは、現像ソフトや画像処理アプリを駆使して、撮影素材の露出やコントラスト、彩度を自在にコントロールし、作者の主観や印象を中心に「制作」することが一般的になったということでした。被写体からビビッドな色彩を引き出す調整はもちろん、同ポジションから何パターンもの撮影を行った上で、ベストのディティールを選別して合成するなど、緻密な技術により理想的な「画づくり」を行う絵画的な作風は、本コンテストでも潮流になりつつあると言っていいところです。
その一方で、「表現」そのものの強度、特にオリジナリティについての、新たな課題も浮上してきている印象です。高度な技術で端正に作り込まれているものの、想定しているイメージ(端的に言えば、お手本やノウハウ)が似ているため、完成作品が既視感のあるものになってしまっている場合も多く見受けられます。別の作者が、異なったロケーションで撮影しているにもかかわらず、同じような印象の作品になっているということもありました。高い技術の作品が揃う中で、頭抜けて魅力を感じられたのは、撮影者と被写体(ロケーション)の関係が密な作品群、シャッターチャンスを逃さないライブ感のある表現でした。
「高速道路のある風景」部門の最優秀賞は、海を背景にした高速道路をとらえた野呂圭一さんの『大地と空と海、そしてそこに住む私たち』です。雲間からさす光と、高速道路を含めた大地におちる影という「ある日」の「ある時間」、一度として同じものは無い移ろいが作品に定着されています。ダイナミックな雲の動き、前景の色彩豊かな秋の樹々、奥に広がる街、光る波、かすむ山々までがディティール豊かに俯瞰されます。同時に、スケールの大きな北海道の自然の中に張りつめられた、人の営みを支える線としての高速道路の存在と意味に気付かされます。同様に、優秀賞作品も、どこかで誰でも目にしたことがあるような、しかし一期一会でもある体験を記録した二作品でした。
佐々木すみれさんの『太陽からの贈り物』は、大自然の中を旅する私たちのあり様を抒情的に示して共感が持てますし、雪の中の高速道路のメンテナンスを撮影した『安心安全のために』(長尾里視さん)は、未曾有の大雪に襲われた今シーズンの北海道ではリアルに響く方も多いのではないでしょうか。
「北海道の四季」部門には、例年通り質の高い力作が寄せられました。旅の気軽なスナップ写真から芸術作品まで、門戸を広く開いてスタートした本コンテストですが、今や、北海道の自然や観光資源を並々ならぬレベルでアピールするイベントとして定着しつつあると感じます。
今回の最優秀賞を受賞したのは、舘ケ澤裕太さんの『厳冬期の羊蹄山山頂』です。張り詰めた空気感が伝わってくるような、迫力に満ちた作品です。前述の、精緻に構成、加工された絵画的世界とは対照的に、ダイナミックな臨場感にあふれています。前景の雪や氷の肌の方向、風紋の向き、背景のスロープの角度、雲の向きなど、絶妙なバランスから成す遠近感が出色です。特に雪の造形や堆積からは、厳しい北海道の自然の推移、運動、エネルギーを感じられます。
一転、「春賞」の『レンズ雲 マフラー雲』(マーボーさん)も羊蹄山がモチーフですが、春にかかるといわれる笠雲を見事にとらえた、のどかな作品です。人工的に作ることはできない、誰もが撮りたいと思うシャッターチャンスをものにした羨ましい一作です。「夏賞」の『自然と共に』(前田啓さん)、「秋賞」の『朝日と漁船』(江川孝さん)は共に、夕暮れ時の光線に、一瞬浮かび上がる自然の質感を豊かにとらえています。とはいえ単なる抒情的な風景写真ということではなく、静寂さを感じさせる情景に人々の営み(舟やトラクター)という動感を加え、そのコントラストが作品世界の深みになっています。
「冬賞」の『雪ふる青の池』(namiさん)は、さしずめ「技巧派」の作品と言えるかもしれませんが、表現技法の使い方が本コンテストでは新しいものでした。夜の池と水面の反射のわずかな光を長時間露光で集めた作品で、透明感のある幻想的な空間が魅力です。通常の長時間露光はテールランプや星といった光跡の撮影でよく使われますが、本作品では降る雪の軌跡がとらえられており、奥行き上のアクセントになっています。ロケーションは美瑛の超有名な観光名所ですが、それを生かす表現や工夫にはまだまだ可能性があることを示唆してくれる作品でした。
「共通賞」の『ワンダーランド』を撮影した桧枝広美さんからは、ほかにも風景作品の良作の応募がありましたが、この作品が入賞しました。技巧という意味では他の作品に「上手い」と言えるものがありましたが、スナップ的に撮影されている本作のライブ感が長じていました。何が起きているのか一瞬では認識できない不思議な光景ですが、振り返る女の子の仕草が理解の入り口になっており、撮影者である桧枝さんの存在こそがこの作品のカギになっています。また、動物を被写体とした可愛らしい、あるいは躍動感に満ちた作品は毎回寄せられますが、今回は乾亮平さんの作品『スポットライト』が受賞となりました。画面中央にエゾシカ、夕陽の反射をジャストミートした、存在感のある一作です。撮られているのは鹿ですが、レンズを通して鑑賞者の私たちも鹿に凝視されているような印象的な作品です。この作品も桧枝さんの作品同様に「関係性」で成立している作品と言えるでしょう。
北海道に高速道路が開通して50年ということで、今回は「50周年記念賞」が設けられ、50作品が選出されました。近年は、高速道路そのものを、彫刻や建築物と同じく「造形」として扱い、その形態の面白さや美しさを発見する作品や、今回の「高速道路のある風景」部門のように、北の生活でのインフラの意味や生活文化をすくい上げる作品に良作が多いようです。
一方で今回の50作品を見ると、人それぞれの思い、様々な道路への視点があることが伝わってきます。素材としても料理の仕方としても、まだまだ撮り尽くしたとも思えません。サービスエリアでの楽しいひとときや笑顔など、皆さんのプライベートな視点を通した作品なども、もっと見せていただきたいと思います。
新型コロナウィルスをめぐる状況はまだまだ余談を許さないとはいえ、この2年を経て、対処のコツもつかめてきています。感染対策の重要性はもちろんですが、2022年は地域間の移動も緩和されることになっていくことが予想されます。その新鮮な視線で、北海道の四季に感謝し、旅を通して生きる喜びをファインダーにとらえた作品と出会えることを、次回のコンテストにも期待します。
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