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第11回北海道高速道路の四季フォトコンテスト結果発表
テーマ
1、「高速道路のある風景」部門
“NEXCO東日本北海道支社が管理する高速道路やSA・PAが風景の一部となっている写真”、”私の高速道路、SA・PAの楽しみ”
2、「北海道の四季」部門
“春夏秋冬それぞれの北海道らしさを感じる写真”
募集期間
2020年4月24日(金)~12月31日(木)
(2019年1月1日以降に撮影したものに限ります)
全国各地の北海道を愛する写真家の皆さまから高速道路のある風景部門では過去最多の118点のご応募をいただきました。
ご応募いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、下記のとおり、13点の入賞作品を決定しました。
入賞者のみなさま、おめでとうございます。
講評
【審査員 北海道教育大学 芸術・スポーツ文化学科 映像研究室 教授 伊藤 隆介】
「NEXCO東日本 北海道高速道路の四季フォトコンテスト」も第11回を迎えました。2020年は新型コロナウィルスの世界的流行による国内外からの北海道へのインバウンドの激減、外出の自粛を反映し、本コンテストへの応募もやや少なめとなっています。その一方で、例年と比較しても技巧的に優れた作品が集まった、つまり「本気度」が高い作品応募が多かったという印象で、審査はより難しかったというのが感想です。
特に「高速道路のある風景」部門は、この部門の歴史で最も高レベルの作品が集まりました。その中で、最優秀賞を受賞した三浦早智子さんの「黄金の道東道」は、秋の北海道の美しさを見事に1フレームに詰め込んだ作品でした。高速道路、木々、畑、山々、遠くの雲までがそれぞれの方向に展開し、北海道の雄大さが十二分に表現されている構図です。また、植物も山もそれぞれの形は三角形に近く、縦方向を感じさせる形態ですが、その中で横の方向に伸びる高速道路と、そこを行く白い自動車が気持ちのいいアクセントとなっています。秋を感じさせる重層的なトーンの中で、高速道路の明るい色、そして芝の鮮やかなグリーンも作品全体の色彩に幅を与えています。
優秀賞の「雲海を走る」(しゅみらくさん)も同様の構図ですが、一転して人間の生活が雲や霧によって隠れ、地表があたかも太古に戻ってしまったような面白味のある作品です。高速道路の走行中に地形や天候の条件によって霧や雪の模様が劇的に変化するのは、北海道に住む者にはお馴染みの体験ですが、それを思い起こさせる、まさにこの地の自然をとらえた一作になっています。この部門では長時間露光(バルブ撮影)の技法による撮影が定着し、ヘッドライトやテールライトなどが織りなす「光の造形」を行う秀作が多く見られましたが、その中では優秀賞の「不眠不休」(NAOinc.さん)がユニークでした。動く車両ではなく、標識や星の明度、つまり自然の悠久さと人間の営みの時間を対比した点が見識だと思いました。
今回の応募作で顕著だった傾向は、前述の長時間露光や、現像ソフトや画像処理ソフトによる明度や色調の補正などを駆使した、美しいナイトシーンや逆光によるエモーショナルな演出の作品が多かったことでした。撮影技術、現像技術を生かした作品の代表といえば、「北海道の四季」部門の最優秀賞となった神保吉数さんの『羊蹄山の夜』が嚆矢と言えるでしょう。この作品に見える、星空、羊蹄山、水面の反射などは、現地で肉眼で見るそれよりも明るく色彩に富んだものなのは一目瞭然です。しかし、その効果はリアリティの強化というよりは、目を凝らし、耳をすませば、見え、聞こえてくるような様々な自然の存在についての連想です。つまり、この作品から感じるニュアンスは羊蹄山の春をめぐる心象風景といった絵画的なポエジーというもので、ハイテクに支えられた作品群の中で質、視点共に高次の作品になっていると思いました。絵画的という意味では、「共通賞」を受賞した山内佳子さんの「原野の向こうに」は、栗谷川健一や藤倉英幸のイラストレーションや切り絵とも共通する、北海道の風景の情感を巧みに拾い上げた特筆すべき作品であったと思います。
「北海道の四季」部門の受賞作は、どれも北海道の季節それぞれが持つ色彩や造形を繊細に切り取った秀作ぞろいですが、その中でむしろシンプルで、強い魅力を放ったのが「夏賞」を受賞した川崎絵梨さんの「ひまわりの笑顔」でした。技術的にはいたって素朴なスナップショットですが、多くの作品が客観性や芸術性に軸足をおいた「よそいき」の視点であるので、この作品の魅力は夏のある日の思い出や高揚感です。いわば、普段からの母と子の幸せな関係が、一枚の写真に表出していると言えます。こういったダイレクトな魅力は、「共通賞」を受賞した佐藤恵美子さんの「喉を潤す」にも共通です。壮大、幽玄な大自然の環境の中に、動物の生態や美を入れ込むという力作は多いのですが、枝と氷柱(つらら)のみで季節を伝えるストレートな表現が際立って見えました。
前述の通り、今回のコンテストでは優れた撮影、画像処理力に支えられた作品が多く寄せられました。質の高い作品ばかりで目移りするほどでしたが、一方でそういった技術や処理による類似性という傾向も浮かび上がってきました。いわば「想定内」である人工美の定型をどう崩すかといったことが、新たな課題とになっている気がします。そして北海道の四季という魅力的な被写体こそは、それを模索するヒントを無限に与えてくれる懐の深い存在だと確信しています。
旅行や外出の自粛を余儀なくされたこの1年でしたが、それゆえに写真の中で出会う四季に大きな魅力を感じられたコンテストでした。右往左往する都会での生活、人の作った文明での不便や不安に対して、大いなる時間の中で育まれた大自然に想いを馳せる日々です。
月日の経過とともに新型コロナウィルスをめぐる社会状況も改善されることを期待しています。2021年のコンテストでは、また「新たな眼」で再び北海道の四季の中に飛び出し、制作された力作の数々を拝見できることを期待しています。
次回もまた、北海道の自然や人々の暮らしをモチーフとして、季節と旅をめぐる新たな視点の作品を期待します。
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