第八回北海道の四季フォトコンテスト結果発表

第8回 NEXCO東日本 北海道の四季フォトコンテスト 審査結果発表 平成28年8月1日(月)~平成29年4月30日(日)のイメージ画像

テーマ

1、「高速道路のある風景」部門

“NEXCO東日本北海道支社が管理する高速道路やSA・PAが風景の一部となっている写真”

2、「北海道の四季」部門

“春夏秋冬それぞれの北海道らしさを感じる写真”

募集期間

平成28年8月1日(月)~平成29年4月30日(日)
(平成25年1月1日以降に撮影したものに限ります)

全国各地の北海道を愛する写真家の皆さまから過去最多の909点ものご応募をいただきました。
ご応募いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、下記のとおり、15点の入賞作品を決定しました。
入賞者のみなさま、おめでとうございます。

高速道路のある風景賞 最優秀賞のイメージ画像
「ヘッドライト&テールライト」のイメージ画像
「ヘッドライト&テールライト」のイメージ画像

「ヘッドライト&テールライト」

森 順 様
【撮影場所:道央道 札幌南IC~大谷地IC】

高速道路のある風景賞 優秀賞のイメージ画像
「早い冬の雪模様」のイメージ画像
「早い冬の雪模様」のイメージ画像

「早い冬の雪模様」

土門 明 様
【撮影場所:道東道 音更帯広IC~池田IC】

「霧に染まる道」のイメージ画像
「霧に染まる道」のイメージ画像

「霧に染まる道」

増井 典子 様
【撮影場所:深川留萌道 深川JCT~深川西IC】

北海道の四季賞 最優秀賞のイメージ画像
「厳光」のイメージ画像
「厳光」のイメージ画像

「厳光」

関口 洋平 様
【撮影場所:千歳市】

北海道の四季賞 春賞のイメージ画像
「大地の春」のイメージ画像
「大地の春」のイメージ画像

「大地の春」

平野 好恵 様
【撮影場所:ニセコ町】

北海道の四季賞 夏賞のイメージ画像
「花園の人気者」のイメージ画像
「花園の人気者」のイメージ画像

「花園の人気者」

平野 眞佐男 様
【撮影場所:上川町】

北海道の四季賞 秋賞のイメージ画像
「秋麗」のイメージ画像
「秋麗」のイメージ画像

「秋麗」

三戸部 悦郎 様
【撮影場所:足寄町】

北海道の四季賞 冬賞のイメージ画像
「光柱の湖」のイメージ画像
「光柱の湖」のイメージ画像

「光柱の湖」

伊原 薫 様
【撮影場所:美幌町】

佳作のイメージ画像
「渓谷の紅葉」のイメージ画像
「渓谷の紅葉」のイメージ画像

「渓谷の紅葉」

加藤 英樹 様
【撮影場所:札幌市南区】

「夜明け」のイメージ画像
「夜明け」のイメージ画像

「夜明け」

佐々木 郁太郎 様
【撮影場所:旭川市】

「桜色の朝焼け」のイメージ画像
「桜色の朝焼け」のイメージ画像

「桜色の朝焼け」

関 奈保子 様
【撮影場所:洞爺湖町】

「春の兆し」のイメージ画像
「春の兆し」のイメージ画像

「春の兆し」

小松 義弘 様
【撮影場所:美瑛町】

「絵葉書の世界」のイメージ画像
「絵葉書の世界」のイメージ画像

「絵葉書の世界」

ろけっとえんぴつ 様
【撮影場所:上富良野町】

講評

【審査員】北海道教育大学 芸術・スポーツ文化学科 教授 伊藤 隆介

第8回を迎えた「NEXCO東日本 北海道の四季フォトコンテスト」は、開始以来最多数の作品応募をいただきました。それを反映して、作品の質も今までで最も高いレベルであったと言えるのは嬉しく思います。

今回のコンテストの受賞作の特徴をあげるとすると、巧みな光の捉え方によって北海道の四季の情感を表現した傑作、力作が並んだということになります。

  • 「高速道路のある風景」部門の最優秀賞である森順さんの「ヘッドライト&テールライト」
    「ヘッドライト&テールライト」のイメージ画像
    が代表作です。長時間露光による作品の応募はここ数年増えていますが、北海道の最も忙しいインターチェンジの一つを撮影場所に据えたことがポイントになっています。往路と復路のカーブの違いや地平線に消えてゆく照明など、光による空間感を定着しています。前者は自動車のライトの軌跡の作る造形の妙味ですが、同時に単なる美しさを超え、交通や流通といった社会の躍動感が表れています。

  • コンテストの開始以来、自由にモチーフを選べる他の部門と比較して、難易度も高い「高速道路のある風景」部門は応募数がやや少ない印象でしたが、今回は「北海道の四季」部門と作品レベルは並んだと言っていい充実ぶりでした。優秀賞の土門明さんの「早い冬の雪模様」
    「早い冬の雪模様」のイメージ画像
    の薄明るい光線が作り出す大地の造形、増井典子さんの「霧に染まる道」
    「霧に染まる道」のイメージ画像
    の幻想的な光の広がりなど、身の周りにある様々な光が、様々な感性ですくい上げられているのが印象的でした。

  • 「北海道の四季」部門の最優秀賞は、文句なく関口洋平さんの「厳光」
    「厳光」のイメージ画像
    でした。圧倒的なディティール描写と情報量、ダイナミックな迫力と空間感は素晴らしいです。白波と雪の色や形が韻を踏み、身が引き締まるような季節感を醸しだしています。今回のコンテストの最高作と言っていいでしょう。

  • 光を巧みに使った作品が多いということは、逆光であったり、コントラストの強いドラマティック、あるいはロマンチックな作風が主流を占めたことで、逆に言えばそれ以外の切り口の作品にもチャンスがあるということです。順光の下で自然のカラフルな楽しさを描いた、夏賞の「花園の人気者」
    「花園の人気者」のイメージ画像
    (平野眞佐男さん)には心が洗われる様でした。秋賞の三戸部悦郎さんの作品「秋麗」
    「秋麗」のイメージ画像
    も、空、山、水中にひろがる秋の気配を捉えた作品です。水の透明感が素晴らしく、その冷たさや気温や伝わってくる様です。

  • 佳作の「渓谷の紅葉」
    「渓谷の紅葉」のイメージ画像
    (加藤英樹さん)も、季節感の伝わる作品です。紅葉という視覚的な要素で秋を表現しながら、同時に水面、舟の人物の様子から、静寂感という「音」が伝わってくるような作品です。グットタイミングの一枚と言えるでしょう。佐々木郁太郎さんの「夜明け」
    「夜明け」のイメージ画像
    も神秘性にあふれた、映画のような一枚です。この時間帯を、映画の世界は「マジカルアワー」 と呼びます。日暮れの後(あるいは夜明けの)数十分の、空は明るいが地面のものは薄明かりの中におかれている状態です。そこに横たわる山々と地平線が、まさに北海道の雄大さを演出しています。

充実した今期のコンテストですが、秋や冬の叙情性をファインダーに収めた作品が多かった一方で、春や夏の北海道を描いた作品は少なかったのは少し残念でした。正確には、富良野や美瑛といった景勝地を撮影した作品は見受けられましたが、「撮る」というよりは魅力的な風景に「撮らされた」とでも言いましょうか、似た作品が結構あり惜しく感じました。雪が融け、花々が一斉に咲く嬉しいシーズンの北海道の、野や海、街々を個性豊かに切り取った作品を次回も待望します。

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