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第六回北海道の四季フォトコンテスト結果発表
テーマ
1.「高速道路の四季」部門
“北海道の高速道路やSA・PA(サービスエリア・パーキングエリア)を写した四季を感じる写真”
(高速道路やSA・PAから見える風景も対象とします)
2.「北海道の四季」部門
“春夏秋冬それぞれの北海道らしさを感じる写真”
募集期間
平成26年8月1日(金)~27年1月31日(土)
(平成23年1月1日以降に撮影したものに限ります)
全国各地の164名の方から、応募総数576点もの多くのご応募をいただきました。
ご応募いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、下記のとおり、13点の入賞作品を決定しました。
入賞者のみなさま、おめでとうございます。
講評
【審査員】北海道教育大学 芸術・スポーツ文化学科 教授 伊藤 隆介
- 第6回を迎えた「北海道の四季フォトコンテスト」は、それまでの春夏・秋冬の募集から一括の募集に変わり、皆さんがとらえた北海道の表情を通年で拝見、審査する方式になりました。その結果、従来以上の力作、秀作が寄せられ、表現の質として過去6回でも最も高いコンテストになったという印象です。なにより季節とともに変化する北海道の容貌を細切れではなく俯瞰できる機会は、撮影者の皆さんの1年を通した「視点」を鑑賞することでもあり、とても充実した機会でした。
- 「高速道路の四季」部門では、様々な工夫を効かせた作品が目立ちました。最優秀賞は、夏の夜の道東道を撮影した吉村剛さんの「夜のハイウェイ」です。北海道の広さと、短い夏の郷愁が一度に伝わる作品です。今回のコンテストでは長時間露光による夜の北海道を撮影した良作が多く寄せられました。長時間シャッターを開放するこの技法では、自動車のヘッドライトや星々の動きなどが光の軌跡となって、通常では知覚とは違うポエティックな表現が可能になりますが、反面、類型に陥りやすくもあります。打ち上げ花火を遠くに入れ込んだ吉村さんの作品には、技術のみに頼らない、写真らしい「グッドタイミング」の魅力がありました。優秀賞となった小熊奈都季さんの「長流川橋」では、あえて高速道路の主役である自動車をフレームに入れず、青空を背景に橋の威容を彫刻や神殿のように切り取った視点が新鮮でした。私たちの生活を、造形的に再発見した発想が光りました。
- 例年通り「北海道の四季」部門は大激戦でした。その結果、ストレートに美しい作品というだけではなく、やはり作者の視点がものをいう審査結果となりました。
- この部門には、毎回、富良野や美瑛などの名所、すなわち「絵になる」ロケーションで撮影された秀作が多く寄せられます。そのままでポストカードに利用できるような魅力的な作品群の中で、今回目立ったのは農村などの四季の営みを描いた作品でした。その代表が、最優秀賞となった山内佳子さんの「春の曲線」や佳作の内河弘至さん、M.T.さんらの作品です。山内さんの作品では、畝(うね)と、天からの雲の影、前景の木々、遠方の建物などが、見事なハーモニーを作り出しています。適切な画面構成は一服の絵画のようです。絵画のよう…と言えば、佳作の高田悦也さんの作品も、風景が日本画あるいは抽象絵画のような味わいまで昇華されています。受賞作はどれも、デザインされてしまった観光名所、つまり最小限の要素で最大の詩情を喚起される対象ではなく、雑多な現実から「美」を発見する撮影者の観察眼が、表現に厚みを加えている作品でした。
- 「北海道の四季」部門では、「春」「夏」「秋」「冬」のそれぞれの季節を代表する作品を選出することになりました。「夏賞」の渡辺義仁さんの「積丹ブルー」は、北海道の海がまるで南の海のように輝く一瞬をキャッチした作品です。まだまだ知らない北海道の四季があることに驚きを感じました。一方、「冬賞」を受賞した桧枝広美さんの「冬の華」では、冬の冷たく、しかし澄んだ空気が伝わってくるような一作でした。北海道に住む人間であれば、誰もが体験している清々しさを、一枚の写真に定着しています。意外性と共感、北の大地がイメージの宝庫であることを実感させてくれる、楽しい部門となりました。
- このようにハイレベルなコンテストでしたが、残念だったのは、レベルが高いために、家族のスナップ、動物などの自然写真、ユーモアを交えた作品が、受賞まで残らなかったことです。特に「高速道路の四季」部門では、サービスエリアの風景を今までにないユニークな視点や、高い技術でフォーカスした作品が増えてきたことは申し添えたいと思います。“雑多な現実から「美」を発見する”と書きましたが、次回以降、こういったドライバーの視点から未見の表現が登場するのでは…と期待をしています。
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