すると目の前に大きな水車が現れた。水の流れる音が涼しい。「水車生そば」は、ボランティアガイドの佐藤さんにもオススメされた蕎麦屋のひとつで、ツウの方が通うという。
混みあった店内に入ると、幸い並ばずに席に着くことができた。基本のざるそばをひとつ、注文する。
ほどなくして、やってきた蕎麦の太いこと! なかなか上手く啜ることができない。歯応えのある極太の麺は、噛むたびに蕎麦の香りがする。
「天童には太麺、細麺、いろいろな蕎麦がありますから、お客様に『どちら派ですか』と好みを聞いてから、オススメのお店を紹介しています」
と、佐藤さんが言っていた。確かにこの太さ、好みが分かれそうだ。よく噛んだからか、最後に蕎麦湯を飲み終わったときはかなり満腹だった。天童の他の蕎麦も、ぜひ食べてみたい。
水車生そばの隣には、栄春堂という将棋駒の実演販売所がある。小さなお土産屋さんだが奥では職人たちが将棋駒を作るところを見学できる。受付のおばあちゃんに聞いたら、なんと50年も続いているお店なんだとか! 天童市を訪れたら、覗いてみるのも面白いかもしれない。
ウィルソン麻菜