未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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将棋ブーム「将棋の街」は今

将棋駒の生まれる街

文= ウィルソン麻菜
写真= ウィルソン麻菜
未知の細道 No.98 |10 September 2017
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#7あっちにもこっちにも詰将棋

子どもたちが遊ぶ公園にも「王将」の文字。

 蕎麦で回復した私は、改めて日差しの中を歩き出した。目指すは「わくわくランド」と呼ばれる公園だ。先にお伝えしておくと、天童駅からわくわくランドへは、車かバスで行かれることをオススメする。間違っても私のように、真夏日に徒歩で向かわないほうがいい。

 ただ、わくわくランドの前の大通りは綺麗だ。教会の前を通り過ぎると、外国を散歩しているような気分になる。そしてだんだんと見えてくる大きな広場が、わくわくランドだ。

 子どもたちの遊ぶ声がする。わくわくランドの中心には噴水があり、子どもたちは水浸しになりながら、夏を満喫していた。

プロが考えた詰将棋の問題は、全部で15問。

 私がこの公園に来た理由は、ここにも詰将棋の問題があると聞いたからだ。しかも有名なプロ棋士たちが考え、厳選された全15問である。初級、中級、上級があり、挑戦者を待っている。

 その日はあまりの暑さに、さすがに詰将棋をしている人は見当たらなかった。問題が書いてある銀や白の台に、日差しが反射して眩しい。

 涼しくなれば散歩をしながら、子どもと一緒に解いてみるのも楽しいかもしれない。ギャラリーや足湯など、他にも面白そうな施設があったが、待ち合わせの時間が迫っていたので急いで、わくわくランドを後にした。

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未知の細道 No.98

ウィルソン麻菜

1990年東京都生まれ。学生時代に国際協力を専攻し、児童労働撤廃を掲げるNPO法人での啓発担当インターンとしてワークショップなどを担当。アメリカ留学、インド一人旅などを経験したのち就職。製造業の会社で、日本のものづくりにこだわりを持つ職人の姿勢に感動する。「買う人が、もっと作る人に思いを寄せる世の中にしたい」と考え、現在は野菜販売の仕事をしながら作り手にインタビューをして発信している。刺繍と着物、野菜、そしてインドが好き。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。