山形県天童市
将棋は日本伝統のボードゲーム。その長い歴史の中で「将棋の街」と呼ばれるようになったのが、山形県天童市だ。街を歩けば、将棋、将棋、ときどきお蕎麦……。将棋駒職人を訪ねて、いざ「将棋の街」へ。
最寄りのICから【E13】東北中央自動車道「天童」を下車
最寄りのICから【E13】東北中央自動車道「天童」を下車
「空前の将棋ブーム!」らしい。私は頭を使うゲームがどうもダメで、オセロや囲碁、チェスなども苦手だ。「こんな感じかな……」と進めていると、気付いたら負けている。
そんな私でも、将棋の話題を目にしない日はないくらい、最近は将棋が脚光を浴びている。その大きな理由はふたつ。
ひとつは今年の3月に公開された映画『3月のライオン』。羽海野チカさんの漫画を、神木隆之介さん主演で実写化したものだ。若き棋士の葛藤と成長を描いた原作の人気もさることながら、映画の評判もかなりいい。今まで将棋に興味がなかった人たちにも、漫画や映画をきっかけに将棋自体が身近なものになっているようだ。
そしてもうひとつは、最年少連勝記録で話題をさらった藤井聡太四段である。14歳の中学生棋士として現れ、29連勝という最多連勝記録を作り上げた。「AI時代の申し子」と呼ばれ、歴代の棋士たちに勝利していく彼の活躍を見て、子どもも親も将棋駒を買いに走っているという。
そこで嬉しい悲鳴をあげているのが、山形県天童市。日本一の将棋駒生産量を誇る天童市では、この将棋ブームの影響をかなり受けているらしい。この突然の将棋ブームを、将棋駒を作る人たちはどう感じているのだろう。私は早速「将棋の街」へ向かった。
ウィルソン麻菜