未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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~ダムの聖地・みなかみ~

〝やぎなら〟ダム 大迫力の点検放流を見に行く!

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.92 |10 June 2017
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#9ダムカレーとダム氷

見た目以上にご飯もルーも多い、ダムカレー。

 さて充実の矢木沢ダム点検放流を終えて、一旦ホテルへと戻る。食堂で昼食をとるためだ。サンバードの「ダム宿泊プラン」は一泊二食ならぬ「一泊三食」が売りなのだ。お昼のメニューはもちろん「ダムカレー」である。
 サンバードの食堂「ふじ」では、大勢の人が「矢木沢ダムカレー」や「奈良俣ダムカレー」を食べるためにごった返していた。
 私たちが食べたのは先ほど見てきたばかりの「矢木沢ダムカレー」だ。堤体のご飯がきちんとアーチ型に高々と「施工」されているのが特徴だ。本物そっくりの堤体の形に面食らってしまうが、早速食べてみると、普通に美味しいカレーである。思ったよりも堤体にご飯がぎっしり詰まっているのがポイントだ。みんななぜか堤体を崩さないように、湖面の水位を下げながら食べるのが、おかしかった。

ダム氷を施工中の石塚さん。

 フロントの石塚さんも、今日は食堂の「ダム氷」のブースで働いていた。「ダム氷」とは、氷やフルーツをダムに見立てたかき氷のことである。こちらももちろん「矢木沢ダム氷」と「奈良俣ダム氷」がある。ちなみに奈良俣ダム氷は、ロックフィルに見立てたブルーベリーが氷にぎっしりと敷き詰められている。石塚さんたちが懸命に氷を施工し、美しいダム氷が次々と出来上がっていく。ダム氷では堤体になる氷の部分を、型を使ってだいぶ固めているので、なんとも食べ応えがあるかき氷だった。


未知の細道 No.92

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

ダムの聖地・みなかみ町でダム三昧の旅 1泊2日

予算の目安1万5千円〜

最寄りのICから関越自動車道「水上IC」を下車
0日目
まずは出発前に国土交通省のサイト
「ダムコレクション」
「ダムツアールート紹介」
を見て予習。ダムの知識を深めておくと実際に見るのがさらに面白くなる。
1日目
小森ダムを見学。
続いて藤原ダムへ。重力式コンクリートダムと巨大なホロージェットバルブを見てみよう。
さらに奈良俣ダムへ。高さ158mの美しいロックフィルダムを眺めよう。奈良俣サービスセンターではダムカレーも食べられる。 水上町は温泉の町でもある。
日帰り温泉
を巡ったり、温泉宿に宿泊してみよう。
2日目
発電用ダムの須田貝ダムを見学。続いて壮大なアーチ式コンクリートダムである矢木沢ダムへ。
奥利根の最奥地のダムであり、周辺では野生動物も多く見られ、様々な自然アクティビティも充実。 また町内にはダムカレーを提供する食堂がたくさんある。
ダムカレーをはしごしてみてはいかが?

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

松本美枝子

1974年茨城県生まれ。生と死、日常をテーマに写真と文章による作品を発表。
主な受賞に第15回「写真ひとつぼ展」入選、第6回「新風舎・平間至写真賞大賞」受賞。
主な展覧会に、2006年「クリテリオム68 松本美枝子」(水戸芸術館)、2009年「手で創る 森英恵と若いアーティストたち」(表参道ハナヱ・モリビル)、2010年「ヨコハマフォトフェスティバル」(横浜赤レンガ倉庫)、2013年「影像2013」(世田谷美術館市民ギャラリー)、2014年中房総国際芸術祭「いちはら×アートミックス」(千葉県)、「原点を、永遠に。」(東京都写真美術館)など。
最新刊に鳥取藝住祭2014公式写真集『船と船の間を歩く』(鳥取県)、その他主な書籍に写真詩集『生きる』(共著・谷川俊太郎、ナナロク社)、写真集『生あたたかい言葉で』(新風舎)がある。
パブリックコレクション:清里フォトアートミュージアム
作家ウェブサイト:www.miekomatsumoto.com

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。