「稚内市」という標識を見た瞬間、テンションが上がる。旅人はみんな“端”が好きだ。日本最北端といえば宗谷岬。記念碑が立つその場所は訪れる人が絶えない名スポット。しかし、その裏山にあたる「宗谷丘陵」を訪れる人は意外に少ない。その絶景を教えてくれたのは、旅慣れたライダーたち。彼らが絶賛してやまないその道は、どこをどう走っても絶景だった。
3,000頭を超えると言われる牛たちの静かな暮らしを脇目に見ながら、空のふもとに立ち並ぶ57基の風車に迫る。ときに、野生の鹿がひょっこり顔を出したかと思えば、貝殻を敷き詰めた白い一本道が続いていたり。ゆるやかに連続する丘を越えていく度に、風景はその表情を変える。山登りでいえば、ずっと縦走しているかのような“ドライブ絶景”だ。スピードなんて出したくない、ゆっくりと少しでも長くこの景色を味わいたい、そんな気持ちになる。ちなみに全国でもこれほどの規模の丘陵はないそうだ。
----“ドライブ絶景”を探すなら、ライダーを追え。----
ライター 志賀章人(しがあきひと)