「“霧の摩周湖”って言うらしいよ」そのときに聞いたのは、夏を中心に年の100日以上が霧に包まれていて、その全貌は滅多に見られないということ。逆に晴れた摩周湖を見ると婚期が遅れるという伝説まであるという。
「それって雲海が見られるってこと?」文脈を無視して僕はそう思った。霧=雲海! 当たらずと言えども遠からず。摩周湖の近くに住むオバちゃんに聞いてみると「雲海? そんなのどこでも見れるわよ」とのこと。ビンゴ! である。凹んだ場所に雲は溜まる。火口の凹地である摩周湖でも雲海は見ることができるのだ。
雲海が発生しやすいのは早朝、ということで、日の出とともに摩周湖へ。展望台を駆け上がると、なんと天晴れ! 底抜けに美しい摩周湖が見えるではないか!……が、見たいのはソコじゃない! ガッカリしながら360°のパノラマを見渡していると、30kmほど離れたお隣の屈斜路湖にドワァーーッと雲海が流れこんでいくのが見える!
「アレ! アレが見たいんですけど!」近くにいた人に声をかけると、「津別峠」に登れば見られるかも、とのアドバイスが。今から行っても間に合わないかもしれない……しかし! 行かない後悔より、行って後悔したほうがマシ! すると……見れました! 撮れました! 摩周湖で見れなくても、屈斜路湖で見られる。ということは確率も2倍!?
----絶景を疑え。アノ場所じゃなくても雲海は見れる。----
ライター 志賀章人(しがあきひと)