未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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[ 第50回特別企画 ]まだ見ぬ絶景をドライブ! 未知の絶景 [ 前 編 ]

文= 志賀章人
写真= 志賀章人
未知の細道 No.50 |10 September 2015
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#01室蘭の工場“昼”景

「未知の絶景」は、どこにあるのか。まずは地元の人に聞いてみることにする。しかし、「未知の絶景を探しているんですが教えてもらえませんか?」そんな風に聞いても、いい答えが返ってくる気がしない。声をかけあぐねていると、「どこからきたの?」そう話しかけてくれたオジさんがいた。

室蘭の地球岬でのこと。8月の北海道には日本全国からありとあらゆるナンバーの車が集まっていて、観光地の駐車場ともなれば、その半分以上が道外の旅人たちで埋め尽くされる。それが日常でもあるのだろう。地元の方たちは実に気さくに声をかけてくれるのだ。話を聞くと、オジさんは室蘭の製鉄所で働いていて、休日はドライブがてら地球岬によく来るという。「この辺りで一番好きな場所を教えてもらえませんか?」話の流れで聞いてみると、「俺が働いてる工場が一望できる場所があるよ」そんな答えが返ってきた。

地球岬から道道919号線をトッカリショ方面へ走ること10分。現れたのが写真の絶景。工場夜景の近未来的ロマンとは対照的に、まるで遺跡を見ているような歴史の“重み”を感じる。それもそのはずで、室蘭には日本でも2番目、3番目に歴史のある製鉄所や製鋼所が今も現役で動いているのだという。「鉄が関係する物なら何でも作ってるよ」オジさんの声にも、ひとつの仕事を長年続けてきた人だけの“重み”があった。


----地元の人に聞いてみる。それが絶景の近道。----

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まだ見ぬ絶景をドライブ!
未知の絶景 [ 前 編 ]

ライター 志賀章人(しがあきひと)

「え?」が「お!」になるのがコピーです。
コピーライターとして、核を書くことで、あなたの言葉にならない想いを言葉にします。
京都→香川→大阪→横浜で育ち、大学時代にバックパッカーとしてユーラシア大陸を横断。その後、「TRAVERINGプロジェクト」を立ち上げ、「手ぶらでインド」「スゴイ!が日常!小笠原」など旅を通して見つけたモノゴトを発信中。次なる旅は、夫婦で世界一周!シェアハウス暦8年の経験から、子育てをシェアする未来の暮らしも模索中。
伝えたいことを、伝えたいひとに、伝えられるようになる。そのために、仕事のコピーと、私事の旅を、今日も言葉にし続ける。
「新聞広告クリエーティブコンテスト」「宣伝会議賞」「販促会議賞」など受賞・ファイナリスト多数。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。