未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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[ 第50回特別企画 ]まだ見ぬ絶景をドライブ! 未知の絶景 [ 前 編 ]

文= 志賀章人
写真= 志賀章人
未知の細道 No.50 |10 September 2015
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#07発芽で村おこし!音威子府の蕎麦畑

北海道で一番小さな村「音威子府(おといねっぷ)」。通りかかったその村で、大地を埋め尽くすお花畑に出くわした。思わず見とれていると、またもや地元の方が声をかけてくれた。何の花か聞いてみると、なんと「蕎麦」。注目の蕎麦農家さんが近くに住んでるよ、ということで紹介してくれたのが、“ねっぷえいど”の玉田健さん。

「音威子府は、夏は30度、冬は-30度になる日もあるぐらい厳しい山間部にあって、昼と夜の気温の差もほんとうに激しいんです。でも、そのおかげで蕎麦にギュッと甘みが詰まったり、香りが良くなったりするんです」

そういえば通りに蕎麦屋さんを見かけた気がします、と言うと「音威子府蕎麦といえば“黒い蕎麦”。はじめて食べた人は衝撃を受けるような強烈な風味やコシがあるんですが、僕たちはちょっと変わった蕎麦を作っていて。“発芽そば”といって、ふつうは蕎麦の実をそのまま砕くんですけど、あえて少し芽を出させることで、実の中の成分が動くんですよね。たとえばルチンという“蕎麦のポリフェノール”と言われる成分が増えたり。それを石臼で粉にすると、ふつうの蕎麦よりも“まろやか”で食べやすくなるんです」と教えてくれました。そんな玉田さんは30歳。音威子府では若手農家が増えていて、新しい試みが次々と生まれているという。道の駅で買える玉田さんの蕎麦「発芽むらおこし」を食べつつ、昔ながらの黒い蕎麦と比べてみる。すると、その絶景は味わいを増すのであった。


----絶品は絶景のもと。名物料理の背景に絶景アリ。----

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まだ見ぬ絶景をドライブ!
未知の絶景 [ 前 編 ]

ライター 志賀章人(しがあきひと)

「え?」が「お!」になるのがコピーです。
コピーライターとして、核を書くことで、あなたの言葉にならない想いを言葉にします。
京都→香川→大阪→横浜で育ち、大学時代にバックパッカーとしてユーラシア大陸を横断。その後、「TRAVERINGプロジェクト」を立ち上げ、「手ぶらでインド」「スゴイ!が日常!小笠原」など旅を通して見つけたモノゴトを発信中。次なる旅は、夫婦で世界一周!シェアハウス暦8年の経験から、子育てをシェアする未来の暮らしも模索中。
伝えたいことを、伝えたいひとに、伝えられるようになる。そのために、仕事のコピーと、私事の旅を、今日も言葉にし続ける。
「新聞広告クリエーティブコンテスト」「宣伝会議賞」「販促会議賞」など受賞・ファイナリスト多数。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。