……写真で見た通りだなぁ。あの「青い池」をこの目で見たとき、僕はそう感じてしまった。試しにカメラで撮ってみると、見たことがあるような写真が綺麗に撮れた。誰が撮ってもスマホで撮っても絶景になる。それは「絶景」と言える場所の条件かもしれない。でも、プロのカメラマンがプロの機材を使ってベストな天候の日に撮った1枚が、画像検索でいつでもチェックできる今、あらためてお手本をなぞるような写真を撮る意味も虚しく思えてくる。
青い池はなぜ青いのか。調べてみると、特殊な地下水と美瑛川が“混じりあう地点”で微粒子が発生、その微粒子が太陽光の青色を強く反射するため、という説が有力らしい。驚かされたのはその後だ。なんと、その“混じりあう地点”を見ることができる場所があるという。それが、青い池から3kmほど上流にある「しろひげの滝」。滝ではあるものの、流れ出ているのは地下水。行ってみると、なるほど白髭のように見えるのだが、注目すべきはその着水地点。たしかに青い! この水が青い池へと続いている、その事実こそが未知。青い池より青い滝、その光景が絶景に感じられたのだった。
----絶景のルーツをたどれ。するともう一つの絶景がある。----
ライター 志賀章人(しがあきひと)