山梨県北杜市
八ヶ岳南麓の小淵沢に、日本で初めての絵本専門図書館「えほん村」ができたのは、1983年のこと。今や親子3世代が故郷のように訪れるこの場所には、世界中の絵本はもちろん、妖精や魔女たちが住まう不思議な世界が広がっている。まるで魔法使いに会いにいくような気持ちで、えほん村の生みの親に会いに行った。
最寄りのICから【E20】中央自動車道「小淵沢IC」を下車
最寄りのICから【E20】中央自動車道「小淵沢IC」を下車
カラフルな文字で「えほん村」と書かれたドアを開けると、そこはまるでおもちゃ箱のようだった。大きな窓から光が差し込む1階にも、螺旋階段を上がった先の2階にも、世界中の絵本がびっしりと並べられている。さらに、今にも動き出しそうな木製の動物や妖精、魔女たちが顔を出す。いろいろなものが詰め込まれているのに、心が落ち着く不思議な空間だ。
「八ヶ岳は避暑地なので、ゴールデンウィークや夏休みの時期は子どもたちでいっぱいです。秋口になると静かになって、おひとりやご夫婦でゆっくりと本を読みに来られる方が多いです」
館内を案内してくれたスタッフの池田さんもまた、小学生の頃にえほん村を訪れていた子どものひとり。近くに暮らす祖父母の元を訪れるたびに、えほん村に遊びにきては本を読んだ。15年前に山梨に移住したことをきっかけに、数年前からえほん村のスタッフとして働き始めたという縁のある人だ。
「子どもの時のえほん村の印象は、わくわく半分、こわい半分。誰かが作った秘密基地に入っちゃった……みたいな感覚でした。魔女もいっぱいいるし」
たしかに、ここまで非日常が作り込まれた空間だと、子どもには少しドキドキするかもしれない。完全に子ども向けというよりは、大人も楽しめるようにデザインされているのだ。えほん村で掲げられたフレーズは、まさに『0~100才のこどものこころへ』。
「ここを作った松村太三郎と雅子、ふたりとも子どもみたいな人っていうか、不思議な人たちなんですよ。話してもらえたら、ここがこうなった理由がわかると思います」
えほん村は、松村太三郎さんと雅子さんという絵本作家の夫婦が始めた。近くのアトリエで制作をしつつ、えほん村を運営するおふたり。それぞれどんな道を通って、子ども部屋のような場所を作り上げたのだろうか。
未知の細道の旅に出かけよう!
八ヶ岳の「こどものこころ」を訪ねて
※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。