未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
103

宮城県気仙沼市

宮城県の気仙沼は、海に囲まれた港町。気仙沼には、地元で捕れた魚をまじまじと観察できる水族館がある。しかもマイナス20℃の極寒の中で。魚を見に行ったはずが、いつの間にか氷の虜になる。そんな水族館を一目見たくて、気仙沼へ。

文= ウィルソン麻菜
写真= ウィルソン麻菜
未知の細道 No.103 |10 December 2017
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宮城県気仙沼市

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#1氷屋さんが作った水族館

気仙沼のシンボルスポット「海の市」

「氷の水族館、2017年復活!」

 そんな見出しを見つけたのは、いつだったか。私は水族館が好きである。毎年夏には大きめの水族館に行って、丸1日を過ごすと決めているほどだ。あの水の涼し気な雰囲気、普段の生活では見られない魚達の泳ぐ姿、一瞬も見逃せないイルカショー。きっと水族館が好きでよく通っているというのは、私だけではないと思う。

 ただ氷の水族館とは一体、どういうことか。水族館の一体どのあたりが氷になっているのか。魚? 水槽? それとも、水?

 興味は尽きないので早速、氷の水族館がある気仙沼のシンボルスポット海の市に問い合わせてみた。すると担当の方からは、こんな返答が。

「氷の水族館は、氷屋の岡本製氷冷凍工場さんが運営されていますので、そちらにお問い合わせください」

 氷屋? またしても聞き慣れない言葉である。どうしてもかき氷屋さんのようなイメージしか湧いてこない。そんな氷屋さんがやっている水族館……。これは実際に氷屋さんに会って、どんな水族館なのか確かめたい。東京の気温では場違いなほどに防寒着を着込み、宮城県の気仙沼へ向かった。

 ちなみに私は魚を見るのも好きだが、魚介類を食べるのも大好きである。魚嫌いの母から生まれたとは思えないほど、寿司も刺し身も食べ飽きることがない。「気仙沼でおいしい海鮮を食べる」というのも、隠れ目的としてバスに乗り込んだ。

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未知の細道 No.103

ウィルソン麻菜

1990年東京都生まれ。学生時代に国際協力を専攻し、児童労働撤廃を掲げるNPO法人での啓発担当インターンとしてワークショップなどを担当。アメリカ留学、インド一人旅などを経験したのち就職。製造業の会社で、日本のものづくりにこだわりを持つ職人の姿勢に感動する。「買う人が、もっと作る人に思いを寄せる世の中にしたい」と考え、現在は野菜販売の仕事をしながら作り手にインタビューをして発信している。刺繍と着物、野菜、そしてインドが好き。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。