そう話している間にも目の前の風景がゆるやかに変化した。川の流れは、目に見えて太くなってくる。
ハンノキの林を通り過ぎ、さらにジャヤナギを横目に歩いていく。さらに十分ほど進むと、背の高いオギや葦が生える太陽が眩しい湿原に。当たり前だが、植生が変わると、そこに住む生き物も変わる。
「大事なのは、光と川の流れをコントロールすることです」と西池さんは言う。
そうすることで、本来はそこにいたであろう生き物を「おかえりなさい」と迎えてあげる環境を作るのだそうだ。
「その象徴がホタルですね。川に光がはいることで、ホタルの餌となるカワニナが増えて、谷全体にゲンジボタルが戻ってきました。6月になると3、4日は光り輝きます」
それは、さぞかし壮観だろう。帰ってきたホタルの群れを一目見ようと、今年はたくさんのお客さんがやってきた。
途中で、オオブタクサという外来種が生えている場所があった。
「(NPOの)スタッフがパトロールしているので、これも、一、二週間後には抜かれていると思います」
こうして、たくさんの人の手によって、今日も森が守られている。
吹き抜ける風が少し涼しくなり、直感的に「海は遠くない」と感じさせる。
エノキテラスという休憩スペースにたどりつくと、数組の家族や友だちグループが木陰でお弁当を食べていて、とても賑やかだ。
「カニさんがたくさんいたよー」と干潟の方面からきた子どもたちが教えてくれる。
もう干潟はすぐそこのようだ。
未知の細道の旅に出かけよう!
三浦半島の海と自然を満喫プラン 1泊2日
予算の目安1万5千円〜
※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。
川内 有緒