意外に聞こえるかもしれないが、亮さんはお酒も飲まなければ、紙タバコも吸わない。
しかし、それは珍しいことでもない。水タバコは吸うけど紙タバコを吸わないという人は意外に多く、お客さんの半分ぐらいがそうだという。水タバコ屋には女性の姿も多く、それはばんびえんに限った話ではない。
では、結局、水タバコは体にわるいのだろうか。
わるいことはわるい。その上での話ではあるが、水タバコは肺にいれないため、また、水を通す際に濾過されるため、紙タバコよりはるかに害が少ないという意見がある。それとは反対に、1時間以上も吸い続けるため、紙タバコ100本分の害があるという意見もある。副流煙による害はないという声もあれば、害があるという声もある。
結局、確かなデータなど存在しないのである。
亮さんは笑い話でこう言った。
「これ吸いながら、おいシーシャ! たのシーシャ!って言ってバカみたいに笑ってる人ほど、たぶん長生きしますよ」と。
ぼくが思うのは、タバコも、お酒も、コーヒーも、動物性たんぱく質も、あれもこれも体にわるいからと取り上げられてしまったら、つまらないなぁということ。
人生に必要のないもの、それが人生をおもしろくするように。体に必要のないもの、それもまた人生に必要なのかもしれない。そうぼくは思うのだった。
ライター 志賀章人(しがあきひと)