未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
84

人生には、
人生に必要のないものが、
必要だ。

煙とシーシャを囲んで話をしよう。

文= 志賀章人
写真= 志賀章人
未知の細道 No.84 |10 February 2017
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#9終煙

意外に聞こえるかもしれないが、亮さんはお酒も飲まなければ、紙タバコも吸わない。

しかし、それは珍しいことでもない。水タバコは吸うけど紙タバコを吸わないという人は意外に多く、お客さんの半分ぐらいがそうだという。水タバコ屋には女性の姿も多く、それはばんびえんに限った話ではない。

では、結局、水タバコは体にわるいのだろうか。

わるいことはわるい。その上での話ではあるが、水タバコは肺にいれないため、また、水を通す際に濾過されるため、紙タバコよりはるかに害が少ないという意見がある。それとは反対に、1時間以上も吸い続けるため、紙タバコ100本分の害があるという意見もある。副流煙による害はないという声もあれば、害があるという声もある。

結局、確かなデータなど存在しないのである。

亮さんは笑い話でこう言った。

「これ吸いながら、おいシーシャ! たのシーシャ!って言ってバカみたいに笑ってる人ほど、たぶん長生きしますよ」と。

ぼくが思うのは、タバコも、お酒も、コーヒーも、動物性たんぱく質も、あれもこれも体にわるいからと取り上げられてしまったら、つまらないなぁということ。

人生に必要のないもの、それが人生をおもしろくするように。体に必要のないもの、それもまた人生に必要なのかもしれない。そうぼくは思うのだった。

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未知の細道 No.84

ライター 志賀章人(しがあきひと)

「え?」が「お!」になるのがコピーです。
コピーライターとして、核を書くことで、あなたの言葉にならない想いを言葉にします。
京都→香川→大阪→横浜で育ち、大学時代にバックパッカーとしてユーラシア大陸を横断。その後、「TRAVERINGプロジェクト」を立ち上げ、「手ぶらでインド」「スゴイ!が日常!小笠原」など旅を通して見つけたモノゴトを発信中。次なる旅は、夫婦で世界一周!シェアハウス暦8年の経験から、子育てをシェアする未来の暮らしも模索中。
伝えたいことを、伝えたいひとに、伝えられるようになる。そのために、仕事のコピーと、私事の旅を、今日も言葉にし続ける。
「新聞広告クリエーティブコンテスト」「宣伝会議賞」「販促会議賞」など受賞・ファイナリスト多数。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
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