未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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災害と共に生きる村の新しいツアー! 人々の生活とインフラを守る防雪施設めぐり

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.231 |13 April 2023
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#7スノーシェッドからスノーシェルターまでを歩く

補強されたスノーシェッドの内部

お昼休憩を挟んで次に向かったのは「下里瀬 スノーシェッド」だ。シェッドとは土砂や雪崩などの被害を防ぐためのものだ。特にスノーシェッドは雪崩被害を防ぐためのものであり、一見形が似ているスノーシェルターに比べ、つくりはもっと強固だ。さらにこのスノーシェッドは、土砂災害の荷重も想定した構造となっており、つまりロックシェッドの役割も果たしている。

このシェッドは1960年(昭和35年)に竣工され、内部のコンクリートは老朽化が進んでおり、鋼板によって補強がなされている。和澤さんの解説を聞いた参加者は、シェッドの内部の写真を撮りまくりながら歩いていく。

国道148号と立山スノーシェルター

スノーシェッドを出てすぐに、「立山 スノーシェルター」へと辿り着いた。国道148号の真下に、そして川の上にあるこのスノーシェルターは凍結と雪から道路を守るほか、橋梁部からの落雪から道路や車を守る役割も果たしている。

対岸に現れたカモシカ

和澤さんの説明を聞いていると、なんと対岸にカモシカが現れた。崖をよじ登って国道の真下に向かっていく。谷間の川の上に構造物と野生動物とが重なり合う、なんとも不思議で美しい風景だった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。