青森県弘前市
青森県弘前市に「現存する唯一の甲賀流忍者屋敷」があると知った。子どもの頃、忍者になりたかった僕は、その屋敷を訪ねた。
最寄りのICから【E4】東北自動車道「大鰐弘前IC」を下車
最寄りのICから【E4】東北自動車道「大鰐弘前IC」を下車
その古びた木造平屋建ては、青森県弘前市にある弘前城から5分ほど歩いた住宅街の一角にある。家と家の間にある細い路地を進んだ先に、ひっそりと。その平屋建ての背後は高さ3、4メートルの斜面になっていて、まさに袋小路だ。
心なしか「影」を感じる古民家を前にして、僕はドキドキしていた。この家が、「現存する唯一の甲賀流忍者屋敷」だから。
外から眺めまわしても、忍者屋敷だとわかる痕跡はない。忍びの者の屋敷なのだから、当たり前か。そんなことを考えながらバシャバシャと撮影していたら、背後から「こんにちは~」と声が聞こえた。忍者のようにサッと鋭く振り返ると、自転車に乗った男性がやってきた。
「どうも、佐藤です」
忍者屋敷のオーナー、佐藤光麿さんだった。今も弘前市の職員として働く佐藤さんに、忍者屋敷の案内をお願いしていたのだ。
挨拶を交わすと、佐藤さんが「ここ、見てください」と玄関の上のほう、屋根のすぐ下を指さした。そこには、言われなければ絶対に気づかないレベルの小さな穴が空いていた。
「見張り穴です。川内さんがこの路地に入ってきた時点で、忍者に見つかっていますよ(笑)」
なにー!? いきなりスタートした忍者トーク。それから約1時間、仕掛けだらけの忍者屋敷ツアーが始まった。