未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
198

青森県弘前市

青森県弘前市に「現存する唯一の甲賀流忍者屋敷」があると知った。子どもの頃、忍者になりたかった僕は、その屋敷を訪ねた。

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.198 |25 November 2021
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青森県弘前市

最寄りのICから【E4】東北自動車道「大鰐弘前IC」を下車

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#1「影」を感じる古民家

その古びた木造平屋建ては、青森県弘前市にある弘前城から5分ほど歩いた住宅街の一角にある。家と家の間にある細い路地を進んだ先に、ひっそりと。その平屋建ての背後は高さ3、4メートルの斜面になっていて、まさに袋小路だ。

心なしか「影」を感じる古民家を前にして、僕はドキドキしていた。この家が、「現存する唯一の甲賀流忍者屋敷」だから。

外から眺めまわしても、忍者屋敷だとわかる痕跡はない。忍びの者の屋敷なのだから、当たり前か。そんなことを考えながらバシャバシャと撮影していたら、背後から「こんにちは~」と声が聞こえた。忍者のようにサッと鋭く振り返ると、自転車に乗った男性がやってきた。

「どうも、佐藤です」

忍者屋敷のオーナー、佐藤光麿さんだった。今も弘前市の職員として働く佐藤さんに、忍者屋敷の案内をお願いしていたのだ。

挨拶を交わすと、佐藤さんが「ここ、見てください」と玄関の上のほう、屋根のすぐ下を指さした。そこには、言われなければ絶対に気づかないレベルの小さな穴が空いていた。

「見張り穴です。川内さんがこの路地に入ってきた時点で、忍者に見つかっていますよ(笑)」

なにー!? いきなりスタートした忍者トーク。それから約1時間、仕掛けだらけの忍者屋敷ツアーが始まった。

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未知の細道とは

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様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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