未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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めざせ!日本一のサイクリングの街・土浦

路地裏から湖までを巡る自転車の旅

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.123 |10 October 2018
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#6これが「りんりんロード」だ!

右手にはレンコン畑が広がっている。

ニコニコ珈琲の家族に見送られながら、いよいよ最後の目的地、霞ヶ浦に向かって出発だ。霞ヶ浦の周囲約140キロ(ロングコース)は、サイクリング用の「りんりんロード」として整備されている。今日のツアーでは最後にこのレイクサイドの「りんりんロード」の一部を走るのだという。途中、土浦ならではのレンコン畑を通り抜け、霞ヶ浦総合公園へ向かって走っていく。

 ついに今日のファイナルディスティネーション、霞ヶ浦に辿りついた。見渡す限りの湖、さすがに広い! 湖畔では水鳥たちがのんびりと羽を休めているのが見える。しばらく走ると水郷ならではの鰻屋など、おいしそうな食べ物屋さんもちらほらある。今度霞ヶ浦にサイクリングに来るときは、こういうところで食事するのもいいよなあ、と思いながら走らせていると、今度は釣りをしている人や、土手で草を刈る作業員の姿などが目に映る。水辺の日常がかいま見えるサイクリングだ。
 「りんりんロード」にもある青い矢羽のマークは自転車が走れることを表す。この矢羽に沿って、霞ヶ浦の「りんりんロード」を一周することができるのだ。今日は霞ヶ浦総合公園から土浦駅へと向かう「りんりんロード」の短い距離を走るだけだったのだが、それでもこのサイクリングロードの良さを実感するには十分だった。霞ヶ浦の雄大な眺めはもちろん、風を切る気持ちよさも、今日一番のものだった。

 りんりんロードをしばらく走って、町なかの駅の西側へと戻る。そして14時すぎには「ル・サイク」へと到着。あっというまの4時間、充実の小さな自転車旅だった。

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未知の細道 No.123

松本美枝子

1974年茨城県生まれ。生と死、日常をテーマに写真と文章による作品を発表。
主な受賞に第15回「写真ひとつぼ展」入選、第6回「新風舎・平間至写真賞大賞」受賞。
主な展覧会に、2006年「クリテリオム68 松本美枝子」(水戸芸術館)、2009年「手で創る 森英恵と若いアーティストたち」(表参道ハナヱ・モリビル)、2010年「ヨコハマフォトフェスティバル」(横浜赤レンガ倉庫)、2013年「影像2013」(世田谷美術館市民ギャラリー)、2014年中房総国際芸術祭「いちはら×アートミックス」(千葉県)、「原点を、永遠に。」(東京都写真美術館)など。
最新刊に鳥取藝住祭2014公式写真集『船と船の間を歩く』(鳥取県)、その他主な書籍に写真詩集『生きる』(共著・谷川俊太郎、ナナロク社)、写真集『生あたたかい言葉で』(新風舎)がある。
パブリックコレクション:清里フォトアートミュージアム
作家ウェブサイト:www.miekomatsumoto.com

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。