さて今日の私は、土浦のサイクリング事情を体感するために、土浦市主催で、大澤さんと井上さんも企画に関わっている「散走ツアー」なるものに申し込んでいるのだ。「散走」という言葉は耳慣れないものだったが、土浦市のサイトに掲載されていた説明を読むと、どうやら私のようなサイクリング初心者でも参加できるサイクリングらしい。最新式のレンタサイクルと、昼食、コーヒー休憩がついているこのツアー、まちなかの16キロほどの距離を、集団で走るという。
さて「散走」とは自転車メーカーが作り出した新しい言葉なのだそう。「自転車で走ること」が目的ではなく、「自転車を活用して」散歩するように、ゆっくりと自転車で目的地を巡り、「歴史や文化」に触れたり、「食」を楽しんだりする自転車を活用した新しい楽しみ方のことなのだ。今日の「散走ツアー」もゆっくりした速度で走るので、初心者や運動が苦手の人でも安心して参加できるプログラムである。使う自転車もスピードが出るスポーツタイプのものではなく、初心者でも簡単に乗れる、街乗り用のまさに「散走」向けの自転車なのだ。
土浦市では「ル・サイク」と共に、今年度は年10回の「散走ツアー」を企画している。実は今日私が参加するツアーは、一般の人に向けたものとはちょっと違う、市内の企業向けに公募したものだ。市内の企業、つまり土浦に住む人たちにも、サイクリングのことをもっと知ってほしい、というねらいなのだ。そして今日応募してきたのは市内のとある自動車教習所。つまり参加するのは自動車教習所の先生たちのグループ、というわけだ。
このツアーに応募することを決めた教習所の校長先生に、その理由を聞いてみると、インターネットで募集を知り、休日に行う会社のレクリエーションと教習所の宣伝を兼ねて参加した、とのこと。確かに7名の皆さんはお揃いの黄色いTシャツを着ていて、背中にはばっちり教習所名が書いてあった! 確かにこれは目立つかもしれない……。
今日は1日、特別にこのグループに混ぜてもらって土浦の街中を走るのである。ル・サイクの大澤さん、井上さん、そして土浦市役所の佐々木さんと東郷さんも一緒だ。
松本美枝子