未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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遊覧船の船頭唄を聴きながら

巴波川沿いに歩く栃木の蔵の街

文= ウィルソン麻菜
写真= ウィルソン麻菜
未知の細道 No.105 |10 January 2018
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#4じゃがいもランチ

食べたかった栃木名物。じゃがいもがボリューミー。

 遊覧船の乗り場のすぐそばに「こうしんの店」はあった。女性船頭の大川さんもよく食べに行くという食堂だ。茶色い建物に、控えめの看板。観光客向けというよりは、地元の人が出入りしているようだった。「じゃがいも入りやきそば380円」という看板を見て、その安さに驚く。

 中に入ると明るい声の女性2人が迎えてくれた。駄菓子も売っている店内は、シンプルな食堂のようなつくり。早速、栃木市名物だという「じゃがいも入りやきそば」と「いもフライ」を注文する。

 先に運ばれてきたのは、じゃがいもをまるごと揚げて甘辛いソースにつけてある「いもフライ」。ごろっとしたじゃがいもが4つも串に刺さっている。まるごと揚げているので、いわゆるポテトフライとは違い、ほくほくとしている。続いてやってきたやきそばは、ゴロゴロとじゃがいもが入った大盛り! 具は肉とキャベツと、あとはじゃがいもだ。やきそばにじゃがいもは入れたことがなかったが、しょっぱいソースと合う。そして普通のやきそばの倍のスピードでお腹が膨れていく。

 結局、いもフライもやきそばも半分を持ち帰りにしてもらうことになった。恐るべし、じゃがいもランチ。食後に駄菓子でも買っていこうかと思っていたのに、そんな余裕はなかった。お礼を言って、川沿いを散歩するために店を出た。

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未知の細道 No.105

ウィルソン麻菜

1990年東京都生まれ。学生時代に国際協力を専攻し、児童労働撤廃を掲げるNPO法人での啓発担当インターンとしてワークショップなどを担当。アメリカ留学、インド一人旅などを経験したのち就職。製造業の会社で、日本のものづくりにこだわりを持つ職人の姿勢に感動する。「買う人が、もっと作る人に思いを寄せる世の中にしたい」と考え、現在は野菜販売の仕事をしながら作り手にインタビューをして発信している。刺繍と着物、野菜、そしてインドが好き。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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