とにかく飛島へ行ってみたい、飛島について何か書けることはないかしら……と考えた私は、彼の地について調べてみることにした。
飛島は山形県最北の地でありながら、対馬海流によって平均気温が約12℃以上に達し、山形県内で最も温暖な土地である。そのおかげで東北日本海側の寒さ厳しい自然とは少々違った、豊かな自然の表情を見ることができる。日本海におけるサンゴの北限の地であり、またドチザメの産卵の場として、夏には多くのダイバーたちが集う。釣りも有名で、季節を問わず釣り人たちが島へと渡ってくる。また実はマグロ漁場として、知る人ぞ知る島でもあるのだ。
そんな自然の魅力がたくさん詰まった飛島だが、とりわけ一番先に語るのであれば、それはなんといっても「渡り鳥の中継地」だ、ということも分かった。
私たちが生活の中で最もよく見かける野生動物、それは鳥であろう。自然豊かな場所のみならず、都市部でも逞しく生きている鳥たち。
鳥は繁殖や越冬のために定期的に移動(これを「渡り」という)をしており、少しの留鳥を除いて、実は私たちが見ている鳥の多くが「渡り鳥」なのである。日本におけるこの鳥たちの「渡り」はロシア、極東で繁殖するものから、東南アジアへと越冬するものまでさまざまあり、まさに地球をまたにかけた旅なのだ。そして飛島はその渡り鳥の旅の中継地として日本屈指の場所であり、バードウォッチャーたちのメッカになっているのだという。
飛島で記録された野鳥の数は、実に約300種。運が良ければ本土では見られないような珍鳥を観察することもできる。折しも鳥の渡りは春と秋が多く、かなりの鳥が飛来するらしい。
よし、飛島に渡り鳥を見にいこう。そう決めた私は、早速、飛島行きの船に乗ることにしたのであった。
さて飛島へ行くには、酒田港から通常一日一便しか出ていない定期船「とびしま」に乗るしかない(季節によっては一日二便)。海が時化れば、何日も酒田の街に足止めを食うこともあり得る。事実、この10月の初めは、時化が続いて、何日も船が欠航していた。
とにかく、私が飛島に行く日は晴れて欲しい! そう祈りながら、飛島行きへ備えたのであった。
未知の細道の旅に出かけよう!
飛島でバードウォッチングを堪能する旅
(2日間)
予算の目安 3万円~
おすすめの季節 秋 10月~11月 春 4月~5月
※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。
松本美枝子