未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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廃校生まれのシードルで乾杯! つくる・学べる「林檎学校醸造所」誕生物語

文= 赤錆ナナ
写真= 赤錆ナナ
未知の細道 No.236 |26 June 2023
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#4日本シードルマスター協会を立ち上げる

「マルシェに出店したり、飲食店さんに営業に行ったりしましたが、知名度の低いシードルはなかなか採用してもらえませんでした」

苦戦を強いられる日々が5年ほど続いた頃、都内で農家直送の食材を売りにしたレストランがブームになった。つられるように、小野さんが売り込むリンゴ農家直送のシードルにも注目が集まり、採用してくれる飲食店が増え始めた。

時を同じくしてJR東日本が青森県でシードル醸造所を開業。その5年後の2015年には、キリンビールがキリンハードシードルのポップアップストアを期間限定で東京・表参道に出店した。

大企業も参入し、徐々に市民権を獲得しているように見えたシードル。この時期、小野さんは、家業の承継と将来の農業経営について考えるNPO法人の活動を通して知り合った友人から、ある言葉をかけられる。

「ビールやワインに比べて印象が薄いシードルを広めていくなら、みんなでまとまって活動する必要があるんじゃないの」

苦味が少なくフルーティーで低アルコール。シードルに大きな魅力と可能性を感じていた小野さんは、知人の言葉に背中を押され、それならばと半ば勢いで「日本シードルマスター協会」を立ち上げた。両親がシードルの委託醸造を始めて10年後の2015年春のことだった。

日経新聞の土曜版『NIKKEIプラス1』の国産シードルランキングで4位になった「2022年3組」
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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