驚いたのは、この体験が無料ということ! スタッフさんによると、36年前に津軽金山焼を創設した窯元の松宮亮二氏さんが縄文文化について学ぶなかで、縄文人の心の豊かさや仲間をいたわる文化が長く続いたということに感銘を受けて、「土器づくりを通して縄文文化に親しんでもらいたい」という想いがあって始めたそうだ。
心の豊かさ? いたわる文化? と不思議に思って調べてみたら、縄文時代の集落で重い病気や大きなケガをした人も数年間生きていたことがわかって、周囲の人々の介添えで暮らしていたと予想されるだって。縄文人、そして、松宮さんも度量が広い!
ちなみに、この体験で使用するのはすぐ近くの金山大池からとれる良質の粘土に普段は使わないもみ殻を混ぜたもの。そして、参加者がコネコネして作った土器は工房で預かり、「野焼き」した後、郵送で自宅へ送る(郵送費は参加者の実費負担)。
現代は「窯」で焼くのが一般的で、それは窯に入れると1300度を超える高温になって素材が硬く固まるから。でも縄文時代には窯がなくて、すべて野焼き。温度は700~800度ぐらいで、その分、窯焼きほど頑丈にならないそうだけど、縄文土器で煮炊きしていたんだから実用には十分だ。