未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
199

偶然から始まるミステリーツアー 三内丸山遺跡の謎を巡る

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.199 |10 December 2021
この記事をはじめから読む

#4童心に帰って粘土遊びをする感覚

遮光器土偶メガネは小牧野遺跡ミュージアムショップ(青森市)か小牧野遺跡オリジナルグッズのネットショップ「こまてん」で購入できる。

僕は、縄文気分を盛り上げようと事前にネットで購入していた遮光器土偶メガネを装着。スタッフさんに苦笑されながら粘土をこね始めて気が付いた。

粘土でなにを作ってもいいという状況って、小学校以来じゃないか? 硬くもなく、柔らかすぎもしない粘土はしっとりしていて気持ちいい。思いつくままに、取っ手のついた器のようなものを作った。スタッフさんに「縄文土器っぽい!」と褒められ、テンションが上がる。

次は、土偶。土偶ってこんな感じだっけ? と適当に作っていたら、だんだん別物になっていった気がするけど、お構いなし。最初に土偶を作った縄文人だって、楽しみながら自由に作ったに違いない。竹串を使って模様をつけたりしていたら、土偶っぽくなった気がした。

僕は器と土器を作るのにだいたい30分ぐらいだったけど、なかには2時間かけて精巧な土器を作る人もいるらしい。縄文土器づくりは、童心に帰って粘土遊びをする感覚で、時間が経つのがあっという間。この体験が無料だなんて、アンビリーバボー! スタッフさんに預けた器と土偶は、12月頃、僕の自宅に宅配される。うまく作れていたら、器に酒でも入れて飲んでみよう。

30分ほどで完成した器と土偶。野焼きの後、どう変化するのか楽しみ。
このエントリーをはてなブックマークに追加

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。