青森空港でレンタカーをして、いざ三内丸山遺跡……の前に、青森県五所川原市の津軽金山焼に寄った。縄文時代と言えば、縄文土器。三内丸山遺跡に行けば出土品がたくさんあるだろう。でも、ガラス越しに眺めるだけじゃつまらないと思って調べたら、津軽金山焼で世界文化遺産登録を記念して縄文土器の制作体験が行われているという記事を見つけたのだ。縄文土器、作れるものなら作ってみたい!
もちろん、三内丸山遺跡で取材をした後に体験することもできた。でもそうすると、そこで目にした土器風に作りたくなるだろう。そうじゃなくて、縄文土器がどんなものか、中学時代の教科書に出ていた程度の知識しかない状態で作ったらどんなものができるのかと興味がわいたのだ。もちろん、金山焼には事前に連絡をして、許可を取っていた。
お店の方に挨拶をして、ショップの裏側にある工房で粘土を渡される。あとはご自由にどうぞ、完成したらお知らせください、それをこちらで焼きますねという流れで、あれこれ教えてくれる人はいないし、特に指示もない。
これ、最高じゃない? 指示されたり、お手本を示されたりしたらそこから逸脱しにくいのが日本人。自分のイマジネーションで作っていいよっていう体験はなかなかないよね。高価な焼き物の作品を作るんじゃなくて縄文土器を作るんだから、その時代に思いを馳せて、想像力を働かせて、自由に手を動かしたい。