縄文人の食生活も、僕が想像したよりずっと豊かだった。動物の肉としては、ムササビ、うさぎ、リス、てん、きじ、がん、かも、しか、イノシシ、たぬき、きつね、かいつぶり、あほうどり、う、ツキノワグマの骨が出土している。そのうち、ムササビとうさぎだけで75%を占める。なんでムササビ? と不思議に思うでしょう。ちゃんと理由があるんです。
「三内丸山遺跡では、栗を栽培していたと言われています。ムササビは栗を食べるので、害獣のような存在で、獲って食べていたんでしょう」
縄文人は食料を行き当たりばったりで採集していたのかと思ったら、栗林を持っていたのだ。ほかにクルミを食べていたほか、マメ類やヒョウタンなども栽培されていたことがわかっているという。植物の管理についての知識と技術があったから、500人もの村民が暮らすことができたのかもしれない。
しかも! 三内丸山遺跡からは針葉樹の樹皮を編んだポシェットが出土している。そのなかにはクルミが入っていたそうだ。ポシェットに木の実を入れてたって、なんかかわいい!