未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
177

東京から2時間で「日本のブラジル」へ 群馬一小さな町は、サンバのリズム

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.177 |12 January 2021
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#6総重量1.2キロのハンバーガー

  • スーパーでたくさん売られているフェイジョアーダ。
  • 日本のスーパーでは見ない巨大なソーセージ。

食後、スーパーのなかをぐるっと歩いたら、日本では目にしない商品ばかり。巨大なソーセージ、フェイジョアーダの豆、トウモロコシ味のアイス、ブラジルでは日常的に飲まれているガラナジュース……。僕は旅先で現地のリアルな生活の匂いがするスーパーに行くのが好きなんだけど、「Ci Brasil」には「ブラジル風」ではなくて、濃厚なブラジルの香りが漂っていて、もうたまらん!

  • 海外の食材が豊富なスーパー「タカラ」。
  • 「タカラ」の陽気な店長。

「Ci Brasil」の店内をひと通り巡った後、向かい側にあるスーパー「タカラ」に入ったら、ここは「Ci Brasil」よりも広くて、さらにいろいろな食材がある。店の片隅には洋服屋や携帯電話ショップもあって、洋服屋をのぞいたら、店員のお姉さんが目を閉じてウトウト……。もう、僕の頭のなかは「ここはブラジル」モードになっているから、そういう姿を見るのも懐かしく、嬉しい。お店のなかで富樫さんが親しげに話し始めた男性は、タカラの店長さん。ブラジルでよく見る陽気なおじさんで、写真を撮らせてほしいといったら、巨大な肉の塊を持って満面の笑みでポーズをとってくれた。

芸能人も訪れる、大泉町の人気パン屋さん「トミ」。

次に向かったのは、すぐ近くのパン屋さん「トミ」。ここでは、僕がブラジルでよく食べていたハンバーガーも売られていた。ブラジルでは大手チェーン店以外にも、安く気軽に食べられるハンバーガーショップがたくさんあって、その場で焼いてくれるジューシーなお肉を素朴な味のパンで挟んだだけのシンプルなバーガーが、めちゃんこ美味いのだ。

総重量1.2キロのメガトミバーガー。完食する自信がある人はチャレンジしてほしい。

お店では、トミの名物、総重量1.2キロのメガトミバーガーを今まさに食べ始めようとしているお客さんがいた。アポなしでお店に来たタイミングで、巨大なバーガーを注文している人がいることがまたなんともブラジルっぽい(ブラジル人はよく食べる)。思わず、写真を撮らせてもらう。

とんでもないデカさと迫力に慄きつつも、なんともおいしそうな見た目と香り。僕の脳みそは「食べたい!」と訴えていたけど、ランチにフェイジョアーダとイチボのステーキを食べて、富樫さんに「よく食べますね」と苦笑されていた僕の胃は、もう定員オーバーだった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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