未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
177

東京から2時間で「日本のブラジル」へ 群馬一小さな町は、サンバのリズム

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.177 |12 January 2021
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#3大泉町の10人に1人がブラジル人

1988年、大泉町に住むブラジル人は36人だった。それが、入国管理法の改正後の1990年には821人に増えた。そして現在、大泉町のブラジル人は4600人超。大泉町の人口は約4万2000人だから、ブラジル人だけで約11%を占めるのだ。シンプルに言うと、だいたい大泉町の10人1人がブラジル人ということになる。

もちろん、日系ブラジル人は全国各地にいるのだけど、大泉町は日系ブラジル人の数も、町の人口に対する比率もほかの市町村の倍以上。調べてみると、その理由は、役場にポルトガル語の通訳を置いたり、企業が家賃を補助したりして、働き手として定住してもらうための努力をしたからと報じられているけど、単純に、ブラジル人が多いところのほうが暮らしやすいというのもあると思う。

とにかく、法律の改正から20年で、大泉町は日本最大のブラジルタウンになった。……という町の成り立ちを知ってから大泉町に行くと、日本最大のブラジルタウンをより楽しめる。だって、京都に行く時、神社仏閣やあの風情ある町並みについてもなんにも知らないのと、少しでも知識があるのとでは、どっちがいい旅になるのかっていうのと、同じことだからね。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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