1988年、大泉町に住むブラジル人は36人だった。それが、入国管理法の改正後の1990年には821人に増えた。そして現在、大泉町のブラジル人は4600人超。大泉町の人口は約4万2000人だから、ブラジル人だけで約11%を占めるのだ。シンプルに言うと、だいたい大泉町の10人1人がブラジル人ということになる。
もちろん、日系ブラジル人は全国各地にいるのだけど、大泉町は日系ブラジル人の数も、町の人口に対する比率もほかの市町村の倍以上。調べてみると、その理由は、役場にポルトガル語の通訳を置いたり、企業が家賃を補助したりして、働き手として定住してもらうための努力をしたからと報じられているけど、単純に、ブラジル人が多いところのほうが暮らしやすいというのもあると思う。
とにかく、法律の改正から20年で、大泉町は日本最大のブラジルタウンになった。……という町の成り立ちを知ってから大泉町に行くと、日本最大のブラジルタウンをより楽しめる。だって、京都に行く時、神社仏閣やあの風情ある町並みについてもなんにも知らないのと、少しでも知識があるのとでは、どっちがいい旅になるのかっていうのと、同じことだからね。